Comments by Dr Marks

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ユタ州の銃殺刑の都市伝説など:死刑はやっぱり銃殺が一番だって(一思いに死ねるし、ギロチンみたいに顔や頭に損傷がないから遺族が喜ぶ:へたくそ狙撃手がいたら別だけど)

なにね、モルモンのユタ州だから銃殺刑が制度として残っていたということではないの。もっとも銃殺刑はモルモン教徒ご推奨の死刑の方法ではあったらしい。〔http://bit.ly/cPKLB4

ロニー・ガードナー(49歳)という人殺しの死刑が先週の金曜日にあり、昨日経過が発表され、今日は(西海岸時間18日)昼のテレビニューズでもやってたな。で、その死刑の方法が銃殺というわけ。5人の死刑執行者が一斉に射撃してお釈迦となる(「釈迦」が嫌なら適当な言葉に代えてください←免責メッセージ)。

この男、25年も前に死刑の判決がくだったが、その後さらに忍ばせた拳銃で弁護士まで殺してしまった。一種の気違いで、本人もそのことを主張したこともあったが責任能力はあるとされた。さて、それほど極悪なのに、また死刑の判決がくだっていたのになにゆえ25年間も生かされていたのか。このニューズの読者コメントにもあるように、25年間も誰の金で養っていたのか、それはわれわれ納税者ではないか、と怒りたくもなる。

余は詳しくはわからない。いろいろ探ると、どうやら殺された弁護士の家族が死刑から終身刑減刑するように嘆願したらしい。目には目をより慈悲をという家族だったのだな。弁護士の家族が殺されたというのに。ところが、今度は先に殺された家族が運動して、結局は死刑にとなったらしい。さらに、その後は、本人が州や連邦に上告したので死刑執行が遅くなったらしい。(違っていたら教えて。)

まあ、そんな訳で初めから伝説的ではあるのだが、銃殺刑の仕方についても伝説はあるんだよ。しかもちゃんとした新聞や法律の専門家まで信じてる。確かに、一番アメリカで一般的な静脈注射による死刑はときどき失敗したり苦しめたりしている。銃殺刑のほうがさっぱりしているから、この死刑囚は銃殺を希望した。死刑前に食べる食事のようにメニューから選べるんだ。選べるのは本当だ。

しかし、実際はユタ州でも銃殺刑は残酷とかかんとか訳のわからないことをいって2004年に廃止されたらしい。ただし、このガードナー死刑囚の刑は1985年に確定していたので、そこに遡って銃殺刑が認められた。方法は何でもそうだが、まず目隠しをされてイスにくくりつけられる。あとはビデオのように背面がコンクリート、側面が弾丸片の散乱を防ぐために土嚢を左右におく。およそ大人の足で十歩かそこらのところで狙撃手は銃眼の裏から死刑囚の心臓をめがけて撃つ。どうして頭部を狙わないかというとお葬式のときに潰れた顔では惨めだからだ。

以上はほぼ間違いがない。しかし、専門家でさえ信じている伝説はある。5人の狙撃手のうち全員に実弾が入っているのではないという説だ。しかし、これは大いにあやしい。ほとんど意味がない。ああ、俺の銃撃で殺したんじゃない、神様憐れみを、って言うのかい。アホ草。もう一つ、この記事にもあるが、5から4、3、2と数えて1ではなくて2で撃つんだと。まあ、信じられんこともない。いつも2と決まっていたら、死刑囚だってわかるわな。ときには3とか4の場合もあるのかもしれないが・・・ふん、これも眉の椿姫。

ともかく、復活でもされない限り(あっ、ヱス様の復活じゃなくて銃殺刑復活のことね)、これでユタ州の銃殺刑もお終いだ。これからはますます都市伝説に尾ひれが付くかもしれない。なにしろ今回も一般の検分者は被害者の家族や死刑囚の家族を含めて誰もいない。関係者は詳しいことは秘密だろう。大勢が目撃したイエスの十字架刑より伝説の余地は大きいな。