Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

チェルシー・クリントンの結婚式、一枚の写真からわかることだけ

先の記事に関してコメントがあったのでふと見ると、そのブログ記事にグーグル検索からの参照が4千に近かったので関心は高かったようだ〔http://d.hatena.ne.jp/DrMarks/20100731/p1〕。余はこの結婚生活の宗教的主導権はどちらになるかということで、たぶん新郎のユダヤ教だろうとい予測したのだが、結婚式の様式はユダヤ教であることが、この一枚の写真から明らかとなった。

ただ、一連の動きがわからないからチェルシーさんが改宗したことになっているのかあるいは改宗に準じた異教間結婚式だったのかはわからない。いずれにしてもユダヤ教結婚式の典型である天蓋(フッパー)の下で、二人の後ろの司式者がラビ(ユダヤ教聖職者)であり、両者の結婚の誓い文らしきものが見える。なお、シナゴーグユダヤ教会堂)内で結婚式をすることもあるが、屋外でこのようにすることのほうが多い。新郎マーク君は黒いのでよくわからないがキュッパ(ヤマカ)を頭に被っている。普通、結婚式では白いキュッパだが黒でもよいし、赤でも青でも何でもよい。

さて、ここで余のお定まりの質問タイム。(個々の例では違うこともあるが)一般的に言って、キリスト教ユダヤ教の結婚の誓いで大きな違いは何か? 答:「生涯あなたを」という文言がないのがユダヤ教。なぜかというとユダヤ教は離婚を認めているからである(例えば、申命記24:1)。他の互いに愛し合い尊敬し助け合うことは同じだ。

誓いの言葉にあるわけではないが、ユダヤ教は女性に優しく妻の権利にも配慮している(例えば、離婚時などのケトバーという財産分与権)。シャバトの家庭礼拝でも最初の重要な役割(ロウソクの点火と祈り)は妻(母)のものだ。また、家庭の平和の責任は夫に第一の責任があるとする。夫は、喧嘩になる言動のきっかけ(初めに暴言を吐くなど)になってはいけないし、喧嘩を収めるきっかけ(謝るなら夫から先に)であるべきだ。さて、チェルシーさんの新郎マーク君はどうかな。まあ、余のように喧嘩そのものがないのが一番さ。

おまけ:やはり、一枚の写真だけではわからない。Twitter で教えていただいた。牧師とラビの合同司式らしい。牧師とラビの名前もわかっている。牧師William Shillady、ラビ James Ponet。→(http://bit.ly/b1dV3l←伊語記事)