Comments by Dr Marks

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ホワイト・ハウスの主人公が代わったので一応(http://www.whitehouse.gov/)

やはり国家元首の交代劇としては(オバマの今回に限らず)世界でも稀なるものと思う、いろいろな意味で。まず、気づくだろうが、近代国家としてはめずらしく「神」が主役である。初めから終わりまで神、神、神なのだ。そうして、全能の神の下では、国家元首であるアメリカ大統領といえども只の人間にすぎないことを本人も市民も意識して行く。

アメリカらしく登場人物が自然に振舞う中にも、節目節目の儀式的要素においては厳粛である。アメリカの小中高校を訪問する日本の方々は、雑然とし、時には騒然とした児童生徒らの振る舞いに初めは目を剥くものだが、一旦、何らかの儀式的な節目に差し掛かると、逆に日本ではお目にかかれないような児童生徒らの静粛さに驚くことがある。同じことは、大学の学生もそうだ。平気で教授の前で机に足を上げて講義を聞く学生が、一旦、教授に面と向かって話しかけるときは、姿勢を正して丁寧に口を開くことが多い。

天皇践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい)や王の戴冠式は、それ以前の皇后冊立や立太子礼、あるいは crown prince の擁立等の長い手続きを経て臣民の了解と支持を確かなものにする政治的な手続きだが、そのような伝統がなく、民主国家として発足したアメリカ合衆国には、今日のような就任式が必要であった理由はよくわかる。この式を通じて、とりあえずは、この大統領に国家を任せ協力して行こうとの覚悟ができるわけだ。

大統領は20日正午(東部時間)を過ぎると自動的に代わるのではあるが、一応は宣誓が済んでからだ。従って、正午過ぎに直ちに宣誓するわけだが、今日は12時10分過ぎだったような気がする。そして、ホワイトハウスのホームページも様変わりする。面白いのは、変わる際に1分間の空白が挿入されたそうだ。