Entries from 2011-01-01 to 1 month
今まで紹介した子守歌より有名でないということはない。余が持っている1960年初版のイーディッシュ語テキストにも載っている。ここに三つのヴァージョンを紹介しよう。一つ目がいかにも子守歌。(この最初のものは嵌め込みを拒否されたので、ここで→http://w…
一つはもちろんビートルズの原曲。これは英語だわな。歌ってるのも本物のビートルズ。ほんで、もう一つがイーディッシュで歌っているもの。歌っているのは? へへ、もちろんビートルズであるわけがない。ゲリー・テニー(Gerry Tenney)という人。でも上手で…
ガンドリー先生の新刊にある「マルコ伝終結部分への特別注記」(p. 220)を訳出した。この註解書ではマルコ伝は16章8節までで註解が終了する。更に詳しく彼のこの議論を知りたければ、彼の旧著 “Mark: A Commentary on His Apology for the Cross” を参照の…
Twitter では長くなりすぎるが、ブログとしては短すぎるかな。チュニジア政変で懸念を余がブログに書いたように、あの狂乱はイスラム世界に飛び火している。これらの国々は、CNN などによれば、共通して縁故がなければ生きていけないような不平等世界である…
小谷野敦先生によれば「コロッケの唄」の作曲家は佐々 紅華(さっさ・こうか、本名:佐々一郎、1886-1961)ではないかとのこと。先生曰く「オペレッタ『カフェーの夜』なので佐々紅華の作曲では」。なお、最後のYouTubeは New York Film Festival 2010 出品。…
と、まことしやかに述べて、実は下↓のサイトからの拾い物だが、イスラエルのヘブル大学(Hebrew University)や年鑑(American Jewish Year Book)に基づくなら出鱈目でもなかろう。それぞれはまた各国の国勢調査に基づくのであろうから。(http://www.simpl…
このベルツという町(シュティトル)はトゥリスクより更に南80 km に位置する同様の町である。現在はポーランド国境の町でもある。 トゥリスクTurisk(טריסק)という町はもうない、とも言えるが、あると言うこともできる。実際にウクライナのコーヴェル(Kow…
Commentary on the New Testament: Verse-by-Verse Explanations with a Literal Translation作者: Robert Horton Gundry出版社/メーカー: Hendrickson Pub発売日: 2010/07/15メディア: ハードカバー クリック: 21回この商品を含むブログ (1件) を見る5年ほ…
アメリカの国勢調査についてはこちらの記事にも書いたので、よろしかったらどうぞ。→http://d.hatena.ne.jp/DrMarks/20100316/p1いやまあ、忙しい。忙しいから、こちらはまだ(米国西海岸時間)金曜日なのだが、日曜日分まで先に書いてしまう。近頃はイーデ…
昨夜は、たまたま入手したハーヴァード大学燕京研究所の出版物の著者の一人である日系人について調べていたが、恐ろしいことにネットだけで遺族の住所や電話番号までわかってしまった。本人は一応ハーヴァードやエールで教育を受けておりワシントンDCの Amer…
おじさん、後部座席に乗せる人は?朝早くから砂漠の町へゆき、帰りはクレアモントとパッサディーナへ。パッサディーナの古書店は健在。Abebooksで検索していた本の一番安いのが、地元の本屋にあるとはラッキー。ええ、またまたイーディッシュ関係の本でがす…
イーディッシュ語作家のコレクションということで、素敵なデザインの書籍が紹介されるが、ナレーションはイツィーク・マンガー(マンゲルと発音しても可、Itzik Manger、1901−1969)の詩「僕は何年もさ迷っていた」。マンガーはルーマニアの国境に近いウクラ…
ホラティウス全集作者: 鈴木一郎出版社/メーカー: 玉川大学出版部発売日: 2001/12/01メディア: 単行本 クリック: 23回この商品を含むブログ (19件) を見る非ユダヤ的ユダヤ人 (岩波新書 青版 752)作者: I.ドイッチャー,鈴木一郎出版社/メーカー: 岩波書店発…
確かに長期政権は悪い。日本の超短期政権もよくはないのだろうが。彼の経歴や業績を見れば、なかなかの行動力があり、受けた訓練や教育もすぐれているし、その結果行った改革も大したものだ。1936年生まれの彼は2009年の選挙でも圧倒的な支持を受け、5選を果…
イーディッシュ語の簡単な挨拶と人称代名詞を学ぶ意味、ならびに格の名称 とてもスローなイーディッシュ語講座だが、ブログだからそれでいいと思う。シリーズで括ってまとめると日本語による初めてのイーディッシュ教則本になるだろうな。 〔独文学者による…
ロスアンジェルスにあるヘイデル(神学校)の一つでの馬鹿騒ぎ(と、言ったら怒られるか)アイザック・シンガーの兄ちゃんもなかなかの人で、ワルシャワで出版と編集にたずさわっていた。神学校を中退して、田舎で両親の許に居候しヘブル語を細々と教えてい…
この小説は都合により翻訳をいったん中断します。いずれまた。 新しい小説『火事』を初めから原語(イーディッシュ語)を基に訳している。あまり進まない。お笑いだが、訳してから英語訳(Fire)などで確認している。しかし、英訳ではわからないことがたくさ…
今日のKcal 9 ニューズをみていたら、余が名誉市長をしているヴェンチューラ(Ventura、ヴェントォーラとも発音)市のお乞食さんが話題になっていた。この場合、お乞食さんは panhandler というが、お鍋や缶カラを手に持って物乞いするからだ。アメリカの都…
イーディッシュ語の標準発音と標準文法何度も言っているように、そんなものはない。管理する文部省もないし、権威だてる辞書や文法書もないのだ。しかし、これも何度も言っているように、現在イーディッシュ語を大学やコミュニティーセンターで教える際はYIV…
イーディッシュ文学においては、歴史的、地理的、宗教的な基礎知識がなければ何も面白くない。予備的関心がない、あるいは予備知識のない文学作品は、すぐれた内容であれば私小説が「私的真実」を出でて「普遍的真実」になるように、まったく面白くないとい…
リトアニア・トリビューン(Lithuania Tribune)という英字新聞があって、昨年までリトアニアに留学していたアメリカの女子学生(Charrisa Brammer)が寄稿している。ヴィルニウスはリトアニアの首都である。かつて大きなユダヤ人社会があったが、今は小さい…
1998年に「ランセット(Lancet)」という超一流の医学専門誌に混合ワクチン(MMR)が自閉症を引き起こすという論文が掲載されたため、世界各地でワクチンを拒否する医師や親が続出した。そのためワクチンがあったら防げたかもしれない病気で死ぬ者も少なくな…
直訳と言ったって意訳・直訳の直訳ではない。原語から直接に訳すことだ。聖書学者は論文執筆に当たっては常に原語から始めるが、前人の訳や他の言語への訳も参考にならないことはない。ましてや文学作品では(学術書でもそうだが)すでに前人のあるいは他の…
『阿呆のギンペル(Gimpel the Fool)』 11(完) ただし改訳予定。 僕は子供たちに言った。「元気でな。ギンペルのような者がこの世にいたことなど忘れてしまいなさい。」 ハーフコートを羽織り、靴を履き、片手に祈祷用のショールであるタリスを入れた袋を…
『阿呆のギンペル(Gimpel the Fool)』 10第IV部 ある夜中、喪の期間が明けた頃、小麦粉の袋の上で夢見心地で横になっていると、悪霊がやってきて言った。 「ギンペル、どうして寝てるんだ。」 「他に何をすればいいのかね、クレプラハ〔ユダヤ式ワンタン・…
『阿呆のギンペル(Gimpel the Fool)』 9 エルカは、「今晩も昨晩も夢に見たことが実現して、お前さんが身も心も謙虚になりますように! 悪霊がお前さんに根付いちまって、目をくらましているんだよ」と言ったかと思うと、叫びだした。「憎しみのかたまり!…
『阿呆のギンペル(Gimpel the Fool)』 8 夜になってパン生地を発酵させるために覆いを掛けて、自分の分のパンと小麦粉少々をを小さな袋に詰めて家路に向かった。月は満月で、星も輝いていたが、何か胸騒ぎがした。先を急いでいると、僕の前に僕の長い影が…
とっておきのヨウツベだ。みせたくないくらいだが。作者は Ezra Schwartz。感動ものだぞ。英語と一部イーディッシュ語。 この小説の初回に書いたように初めは原本がなく、いきなりソール・ベローの英訳から重訳で始めた。いい加減といえばいい加減だが、いず…
すべりひゆさんに笑われるのは承知で、プリモ・レーヴィ(Primo Levi, 1919-1987)の詩を訳してみた。イタリア語文法などいい加減なのだが、なんとかこういう意味だろうと思う。彼はイタリアで生まれイタリアで没した作家。なにか在日の北朝鮮の回し者のよう…
Anna Chapman in London; but she'll never return again.彼女の名 Anna Chapman が有名になったのは、昨年2010年の6月末に他のスパイたちと一緒に逮捕された際であり、美人スパイとして報道されたからだ。1982年の生まれで28歳だが、来月には29歳になる。ア…