Comments by Dr Marks

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お乞食さんにやさしいアメリカでなかったらアメリカなどいらない


今日のKcal 9 ニューズをみていたら、余が名誉市長をしているヴェンチューラ(Ventura、ヴェントォーラとも発音)市のお乞食さんが話題になっていた。この場合、お乞食さんは panhandler というが、お鍋や缶カラを手に持って物乞いするからだ。アメリカの都市のどこにでもお乞食さんはいるし、誰も邪魔だとは思っていない。

確か二年前も問題にしたが、法律で取り締まるようなことはしないことになったはずだ。どうやらまた蒸し返しているらしい。ヴェンチューラの町はしばしばブログでも書いたが、海辺の門前町だ。聖人が守る町なのだからお乞食さんくらい大目に見て欲しいのだが、町のレストランなどが嫌がるらしい。しかし、テキサス訛りの兄ちゃんが言うように「かまへんやないか」。

最後に訪れたのは先月だったが、お乞食といっても芸人もいる。お乞食さんがギターを弾くと、連れの犬が後ろ足を蹴ってギターのストロークに合わせるというのがいて、余の細君などは感心して犬の餌代とか言って、往きも帰りも札(1ドル×2回=2ドルだけど)を入れていた。

細君とお乞食さんといえば、救世軍士官の娘らしく酒で身を持ち崩す人が嫌いというか、気にかけていて、せっかくのお金が体に悪い酒に変わることを心配している。そんなものを飲むよりは栄養のあるものを買って食べなさいというわけだ。それに、この南カリフォルニアは暖かいが、極寒の地では、一時的にアルコールで体が温かくなっても、その後では強烈な寒気と体温低下に見舞われる。

アル中のお乞食さんは、自分が金をもらったら酒を買いに走ることをひた隠しにする。酒を買うと言えばお金がもらえないからだ。ところが、冒頭の写真の場合は驚いた。まさに正直なお乞食さん。それに頓智があるから、本当は飲まないのかもしれない。この写真はヴェンチューラのものではないが、細君に見せたら感心して、これならお金を上げてもいいと言っていた。