Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

アンナ・チャップマンのその後:華麗な転身なるかロシアのスパイ女


Anna Chapman in London; but she'll never return again.

彼女の名 Anna Chapman が有名になったのは、昨年2010年の6月末に他のスパイたちと一緒に逮捕された際であり、美人スパイとして報道されたからだ。1982年の生まれで28歳だが、来月には29歳になる。アンナ・チャップマンというのは本名だが、Alex Chapman という英国人と結婚してからの名前だ。表向きは大使館勤めだが実はKGBというヴァシリー・クシュチェンコの娘である。従って、親子二代のスパイである。しかし、余は、彼女が初めからスパイになる意図はなかったと信じている。つまり、成り行きだったんだ。

彼女のスパイとしての職務はスリーパー(sleeper spy)すなわち現下具体的な工作はなく、一旦緩急あるときは行動にすぐさま移れるように待機する役割であった。米国側のおとり捜査で偽造旅券の行使を指示されたが、父親に連絡し父親の忠告に従って断ったことがある。モスクワ大学を最優等で卒業し経済学の修士号を持っている才媛で、ロンドン時代は楚々とした美人でもある。未確認の情報としては、いつのものかはわからないが、IQは162の記録があるそうだ。

彼女は大学時代に英国に遊びに行き知り合った英国人男性と半年後に電撃的に結婚する。双方はそれぞれの親には内緒だった。地位も学歴もない英国人男性だが、アンナの母親は婿殿に好意的であった。だが、後にKGBとわかった父親は娘の行く末を案じて婿殿の将来についてしつこく聞いたらしい。

彼女は、その男性によると非常に素朴で、結婚しながら祖国で修士号を取るようながんばり屋であったそうだ。しかし、結局、彼らは離婚する。この期間は2001年から2006年である。離婚の理由は彼女の未来像に彼氏が付いていけないことであり、円満離婚。ただし、チャップマンという名前は変えなかった。そして、彼女はニューヨークへと旅立つが、彼らは離婚後も連絡を取り合う友人としての関係は昨年まで続いていたようだ。この期間は2006年から2010年の逮捕まで続く。

ビデオでご覧のとおり、強制送還された彼女はモスクワで時の人(http://bit.ly/gT9OKh)。なにしろロシアというのはスパイが大統領や首相になる国だから、今後も目が離せないのじゃ。なお、彼女は英国国籍を取り消され、英国政府は彼女の入国を許可しないことにした。なお、国籍取り消し(revocation)は国籍剥奪(denationalization)とは別で、元々国籍がなかったものとされること。