Comments by Dr Marks

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キング博士(日本で言うキング牧師)の日の午後、たった一つの単語(イーディッシュ語)で小一時間

ホラティウス全集

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非ユダヤ的ユダヤ人 (岩波新書 青版 752)

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こんなのブログの記事かと思うが、逆にブログだからいいかもしれない。今日はマーティン・ルーサー・キング博士(こちらではキング牧師とはあまり言わん)の誕生日で休日。大統領以外ではそんなのは彼しかいない。そういえば、話変わるが、余はサンフランシスコ生まれの翻訳家で哲学者鈴木一郎先生を探しているが、出版社に聞いた住所では連絡がつかなかった。

青山学院出身で、旧制高等学校は出ていないが、検定で東北帝国大学に入学した。ストラスブールで拾ってきた奥さんがフランス人の先生だけど、誰か知ってる? フランス語の先生してた娘さんがいる。生きていないのかな、彼はボストン大でキング博士と机を並べていた。鈴木先生シュヴァイツァー博士にも会ったことがあるんだよな。

イーディッシュ語の単語を調べて小一時間かかった。ヴァインライヒの2万語のエントリーにはない。ところが、ネットで調べたら、かなりヒットした。実はシンガーの『火事』の中に出てくる単語なのだが、この作品を英訳しているノーバート・グーターマンは意訳したつもりなのか、この単語が訳文に反映されていないのは一目瞭然。というよりは訳抜けと言ってもよい。

さて、ヒットはしたが、意味はわからない。コンテクストから理解しようと一つ一つ見ていったら、納得する定義があって嬉しかった。また、ヴァインライヒの辞書にはなかったが(探し方が悪いのかもしれないが)、ちょっとマニアックなサイトがドイツにあって、そこには発音例が地域別に確かめることができる。それも紹介しよう。

調べた単語は「ヴィスクロベク、viskrobek(װיסקראָבעק)」で、各地の発音例はこのサイト→http://bit.ly/hzd0lG。その中でも話者が意味を説明している。大変に重宝なサイトだ。いろいろな説明を要約すると次のようになる。

鍋などの凹みにへばりついたこね物を、最後に「ふき取り(ヴィッシュ)」+「かき取り(クラッツン)」したもの。最後の最後の残り物。転じて、女性が高齢になって産んだ子。恥かきっ子。更に、そのような末っ子は、滓(カス)っ子で、頭が足りないことがあるため、阿呆という意味にもなった。