キング博士(日本で言うキング牧師)の日の午後、たった一つの単語(イーディッシュ語)で小一時間
- 作者: 鈴木一郎
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青山学院出身で、旧制高等学校は出ていないが、検定で東北帝国大学に入学した。ストラスブールで拾ってきた奥さんがフランス人の先生だけど、誰か知ってる? フランス語の先生してた娘さんがいる。生きていないのかな、彼はボストン大でキング博士と机を並べていた。鈴木先生はシュヴァイツァー博士にも会ったことがあるんだよな。
イーディッシュ語の単語を調べて小一時間かかった。ヴァインライヒの2万語のエントリーにはない。ところが、ネットで調べたら、かなりヒットした。実はシンガーの『火事』の中に出てくる単語なのだが、この作品を英訳しているノーバート・グーターマンは意訳したつもりなのか、この単語が訳文に反映されていないのは一目瞭然。というよりは訳抜けと言ってもよい。
さて、ヒットはしたが、意味はわからない。コンテクストから理解しようと一つ一つ見ていったら、納得する定義があって嬉しかった。また、ヴァインライヒの辞書にはなかったが(探し方が悪いのかもしれないが)、ちょっとマニアックなサイトがドイツにあって、そこには発音例が地域別に確かめることができる。それも紹介しよう。
調べた単語は「ヴィスクロベク、viskrobek(װיסקראָבעק)」で、各地の発音例はこのサイト→http://bit.ly/hzd0lG。その中でも話者が意味を説明している。大変に重宝なサイトだ。いろいろな説明を要約すると次のようになる。
鍋などの凹みにへばりついたこね物を、最後に「ふき取り(ヴィッシュ)」+「かき取り(クラッツン)」したもの。最後の最後の残り物。転じて、女性が高齢になって産んだ子。恥かきっ子。更に、そのような末っ子は、滓(カス)っ子で、頭が足りないことがあるため、阿呆という意味にもなった。