Comments by Dr Marks

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チュニジアの国外脱出したザイン・エル・アビディン・ビン・アリー大統領は悪者か?おまけで、チュニスのユダヤ人社会

確かに長期政権は悪い。日本の超短期政権もよくはないのだろうが。彼の経歴や業績を見れば、なかなかの行動力があり、受けた訓練や教育もすぐれているし、その結果行った改革も大したものだ。

1936年生まれの彼は2009年の選挙でも圧倒的な支持を受け、5選を果たしている。次回の大統領選には出ないと言った。もともと75歳以上の大統領立候補は禁じられているから出るはずはなかったのだが、ひょっとしたら規定を変えてまで出るのではないかと勘ぐられていたらしい。

この事件の発端は、ある失業青年が無許可で街頭で物売りをしたのを警察が咎めたためプロテストの焼身自殺を図ったことであった。余もその事件はアメリカでも報じられたので記憶にある。それを、今度は大学出などの失業中の若者が同調して煽り、ネットを通じて拡大していったという経緯がある。

しかし、同国の経済成長率は悪くはなく、失業率は13%で、これも世界的に見ればとくに悪いものではない。ただし、若者の失業率は30%と言われるが、実はこれも先進国では最悪などととても言えないのである。代わって、議会議長や首相が大統領を代行し、(大統領は辞任したとして)改めて大統領選を行う予定らしいが、彼らも大統領と同じ政党に属しており同じ穴のムジナのはずだ。

今朝のニューズでは、亡命大統領派と新政権代行派で銃撃戦があったと聞いた。この穏健ながらイスラム教国の気違いざたにはあきれる。もともと、あの焼身自殺を図った青年は狂気としか言えない。そうまでして抗議しなければならない国ではなかったろうに。

旧フランス領のアフリカのユダヤ人は、多くが国を離れてイスラエルや欧米に逃れたが(主として、フランス、イタリア、アメリカ)、首都チュニスユダヤ人で、その後もやさしいイスラム教徒の間で暮らしている人たちもいる。若干2,000人ほどらしいが、こちらをどうぞ→http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4014511,00.html