Comments by Dr Marks

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とうとうイスラエル映画でごまかすブログ(エラン・コリリン監督 2007年作品『迷子の警察音楽隊』)笑いとペーソスと恋の名画、日本語版DVDあるよ

今まで日本語版はないイスラエル映画だったが、この映画には日本語版があるので紹介しよう。ただし、私自身は日本語版を観ていない。だが、それは日本語字幕があるかどうかの問題であるだけで、本質は変わらない。もっとも、訳がどうかということはあるのだが、この映画は誤訳しようにも誤訳できないほど簡単な会話だけである。

迷子の警察音楽隊 [DVD]

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英語版は The Band’s Visit(ヘブル語題は「ビクール・ハティズモレット」)。ソニー・ピクチャーズ作品なので日本でも日本語版『迷子の警察音楽隊』という題で公開された。イスラエルに招待されたエジプトの8人の警察音楽隊が迷子になる設定の映画で、笑いあり、恋あり、悲しみあり、まさに人生の哀歓にあふれた名画だと思う。

映画にはヘブル語、アラビア語、英語が登場する。ところが、東京国際映画祭など多くの賞を得ながらも、アカデミー賞の外国映画部門では失格となった。理由は、英語が半分以上だったからだ。エジプト人イスラエル人が会話するわけだから、自然に英語が多くなってしまったのだ。

エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊は、テルアヴィヴの空港に降り立ったものの迎いの車もない。彼らはぺター・ティクヴァ(テルアヴィヴ郊外の町)にあるアラブ文化会館で演奏する予定だった。やむをえず、隊長のタオフィーク(Sasson Gabai)は自分たちでバスを探すが、発音の間違いかぺター・ティクヴァではなくベート・ティクヴァという田舎町に行き着いてしまう。

町のカフェの女主人ディナ(Ronit Elkabetz)によれば、間違いであり、しかもその日のバスはもうない。途方に暮れてエジプト大使館に電話しようとしたが、ディナは自分の家に2人、友人の家に残りの5人を割り振って泊めることにする。その一夜のうちにさまざまなことが起こるが、笑い、また涙を誘うかもしれない。いずれにしても、「人間」が見えるはずである。必見。

リンク:日本語ウィキペディアhttp://bit.ly/cTcCwN)、隊長のインタヴュー(http://www.cinema.janjan.jp/0712/0710270656/1.php)、監督はこんな人(http://bit.ly/c3Z7HH