Comments by Dr Marks

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Freedom is ever new—God bless America! + Mrs. Marks's Comments + 追加+

{泉信也 vs. 中国の青い集団}


教皇ベネディクト16世(日本での愛称「ベネ16法王」俗名「ヨーゼフ・アロイス・ラッツィンガー博士」)がたまたま81歳の誕生日をホワイトハウスで迎えた。アメリカ史上最大の礼をもって私たちの息子(ジョージ・W・ブッシュ大統領)が空港まで出迎えた。

今朝、朝食時に歓迎式典の息子とベネ16法王の挨拶を聞いた。今回の標題は、法王の挨拶からの引用だ。もっとも、God bless America! はアメリカ人が大好きな言葉で、これで締めくくったのは法王のサービスだろう。(しかし、まあ、ポープの仕事は忙しい。ベネ16博士、『ナザレのイエス』の続編はいつ書くのだろうか。)

息子も近頃は英語がうまくなったが、法王の英語は完璧だ。時々、ラテン語系の長い単語では気が緩むからかドイツ語訛りになるが、そのほかは素晴らしい。私が直接(放送でなく)聞いたドイツの神学者の英語の点数を5段階評価で付ければ、ユルゲン・モルトマンとゲルト・リューデマンは5、マーティン・ヘンゲルは2(ただし、情熱的な語りを加味すれば3としてもよい)。そして、法王(神学者ラッツィンガー博士)も文句なく5である。

因みに、日本語を母語とする私自身の点数は、3と4の間と自己診断するが、細君によれば(←間違った発音をすれば超ウルサイ)限りなく3に近いかもしれない。USC でコミュニケーションの学位を取り、現在ノットルダームで教えているM先生と昔ヘンゲルの講演を一緒に聞いた。帰り道、「マークの英語はわからんと思っていたが、ヘンゲル先生は全然わからなかった。こうなったらお前の英語を見直したよ」とからかわれたものだ。ドイツ語がわからないM先生には、確かにわからなかったろう。ヘンゲル先生の英語は半分ドイツ語みたいなものだから。

最後に、ヒラリーとオバマの英語について。ヒラリーは南部訛りの真似をして受けをねらったことがあるが下手で、私の南部訛りの真似のほうがうまいくらいだ。しかし、オバマアラバマセルマーで地元訛りを真似したなどと言われるが、本当はあれはオバマの地。誰も表立って言わないが、彼の訛りは南部訛りというよりは黒人訛りである。えっ、どこでそんな癖を? わからないが癖が強いことは誰でもわかる。可能性として、黒人教会、若いときのLA(LAのオクシデンタル大学に2年間在籍)での黒人との付き合い、コロンビア大学アイヴィーリーグの中では比較的‥‥)、卒業後のシカゴの黒人コミュニティー、etc. となろう。(息子でさえ言われたように、訛りの強い大統領を嫌う傾向があるので、誰もはっきりとは言わないが、オバマの黒人訛りはよくないと思っている者は少なくない。)

(マークス夫人のコメント:たった今、ABCでペンシルヴァニア州での民主党ディベートを細君と見ている。細君にMrs. Clinton の英語を5とするとオバマのはどうかと聞いてみた。即座に3だが、内容も意味不明なので2だって。確かに、economic をイーコノーミックなんて伸ばす<正統>黒人英語をしゃべっているよ。内容的にもクリントンおばさんに負けてるようじゃねー。)

ここまで書いてるうちに、以下おまけのアメリカ大学事情。そういえば、オバマ猫猫先生述べるところの「学歴ロンダリング」だ。最終的にハーヴァードのロースクール(院)なので、一般的にはハーヴァードと言われるが、ケネディー(学部)とは違う。しかし、アメリカの学歴ロンダリングはもっと過激な敗者復活的要素もある。カリフォルニア州では州立大学が2系統ある。博士課程のある研究系大学のUC(ex. UCLA)と実務系大学のCal. State (ex. Cal. State LA)だ。なるべくUC系に行きたいものだが、Cal. State 系にも受からなかったとする。仕方なくコミュニティーカレッジ(ex. LACC)に行く。しかし、そこで2年間好成績だとUCの3年次に編入可能で、学歴としてはまっさらで穢れなきUCの学部卒となる。ここで注意することは、一旦 Cal. State 系に入学した者はUCへの編入は許されず、その大学を卒業してから大学院を受験しなければならない。従って、UCの学歴(院)の前にCal. State(学部)の学歴が付いてしまう。

大学のステップアップを「学歴ロンダリング」とするならば、実は、アメリカの研究者の中では、その率は非常に高いと思っている。学会でいつも大きな顔をしているクレアモントのM教授などはハーヴァードで学位だが、自ら小さな声で「実は私は学部はBJ大学で‥‥」などと打ち明け話のようにするが、BJ大学でどこが悪いの、と聞きたいくらいだ。LA郊外のM大学で数学を教えている私の友人だって学部はその<有名な>BJ大学だよ!(BJなんて匿名にするのは止めた。悪いことなんかないんだから、Bob Jones Universityと堂々と。) 昔からいい大学だよ。あっ、オバマのオクシデンタルね。ご紹介申し上げます、Occidental College。我が家からはパサデナより近い。これも瀟洒ないい大学、我が家から近いのでここで教えたいくらい。

追加:大学入試といえば、ガキの人口が少なくなった日本では大学入試がますます楽になり、よほどでなければどこかに潜り込むことはできる。その点では東大あたりでも例外ではなかろう。難しかった昔に比べれば、二流の上程度しか入れなかった者でも入学できる。ベビーブーマーの時代なら医者になるとか東大に入るのは大変だった。ベビーブーマーが大学に入った頃から(あるいは卒業した頃から)日本の医科大学や医学部は40校から一挙に80校になった。東大の定員も受験者層が減ったのに増えた。
 昔から日本の私大は合格者の数は入学定員よりはるかに多かった。受験者は複数の大学に合格するからだ。早慶もしかり。しかし、近頃は二流三流の大学はかなりの入学辞退者を見込んで倍も合格者を出すと聞く。実はアメリカでも同じ。二流三流というよりは一流どころでも定員以上を合格にしたり合否保留にしてなるべく学生を引き止める。あるいはちょっとだけ(最初の一年間学費の4分の1の奨学金を出すとか)飴をしゃぶらせる。
 アメリカンエアラインのメンバーサービスで送られてくる先週の Newsweek を眺めていたら(←只だから読んでる、金出して読むような内容はない)、そんな話題が載っていた。アメリカの高校生も今頃は甘やかされていて、昔だったらせいぜい5つの学校にしか願書を送らなかったのに、平均10校(!)に願書を出すんだと。だから大学としては水増し合格せざるをえない。でも、今でも水増し率が最も低いのはハーヴァードだって、くそ!

中国からの青い集団と泉信也国家公安委員長

こんな記事を見つけてしまった。こんな素晴らしいこと(日本の安全は日本の権力を行使して守るのであって中国の青い集団はお断り)を言う Shinya Izumi って何者と思ったら、国家公安委員長。確かにそうだ。プライヴェイト・セキュリティーならまだしも、公式行事で、しかもランナーに一々指示するような集団を、アメリカを含めて拒否しなかったほうがおかしい。日本の警察頑張ってくれ!