Comments by Dr Marks

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幻の「史的イエス研究」大作? 俺の師匠耄碌じゃあるまいな、心配だ

だんだんおかしくなるのでぼかして書く。本家では2年前だからもっと詳しく書いたが、当分はあまりはっきり書かないほうが、いくら日本語でもいいような気がしてきた。オイラの師匠は著書多数。今まで育てたPh.D.は12−13人。今を去ること10余年前に(てか、20年前と言ってもいいくらいだが)オックスフォード大学で史的イエスを講じた。その後、オックスフォード大学出版部と出版契約を結び、数年後には本になる予定だった。

ところが、書き足しやら書き直しで伸びに伸び、同出版部との契約は破棄されてしまった。そりゃそうだ、内容が古くなっては売れやしない。しかし、私なら破棄はしない。先生は新しいものを書き足しているのであって、古くなっているわけではない。幸い、他の出版社で出すことになった。学生時代は原稿の一部も特別に見せてもらい、すぐにでも出る雰囲気だった。それから時は過ぎ、いまだに出ていない。何でも500から1000ページになるので分冊の予定だそうだ。その頃、張り切っていて、執筆に不要な本はすべて自室から持ち出して、必要な本だけを自室の本棚に入れていた。

今回、印刷した近況報告のクリスマスカードに、全部ではないが(全部でないというのが曲者、「まだ終わっていませんが先生見てくれますか」という馬鹿学生と同じではないか)出版社に原稿を送っていると書いてあった。まだ誰彼となくそんなことを言っているのだ。えいえい、わかりました。先生は、今年の春も、夏になったときも、そう言っているのをこの耳で聞きましたよ。ライフワークのつもりかもしれないけど、不完全だって早めにお終いにすればいいじゃないですか。後で追加分だって出せるし。……、とはいうものの、そこなんだよね。いったん出してしまうとなかなかだから、慎重になってしまうんだ。陰ながら祈るよ、早く完成するように。