イエスの死体がないのはチャンチャンバラバラのせい

例のイーアマン先生の作り話があまりにも可笑しいので。もっとも彼自身は冗談とことわっているのだから、まともに受け取って反論などしてはならない。

イエスがアリマタヤ（播磨屋でも有馬屋でもないぞ）のヨセフの新しい墓に納められたその夜のことだった。弟子の二人が、もっとイエスにふさわしい墓に納めるためか葬儀のために、イエスの死体を亜麻布にくるんだまま運び出した。ところが途中、警戒していたローマ兵に見つかってしまった。弟子は、ちょうどペテロのように剣を持っていたので、ローマ兵に撃ちかかっていった。

ところが、素人の浅はかさ、剣戟チャンバラでは玄人のローマ兵に逆に切り殺されてしまう。さて、ローマ兵は、死体が三つ（二人の切り殺された弟子とイエス）残ったが、どれがどれやらわからなくなったので、まとめて死の谷に投げ捨ててしまったとさ。かくして、墓は空。

幾ら冗談でも、シャバートに墓を暴いて死体を担ぐというのは不自然だ。まだまだイエス教というよりはユダヤ教のユダヤ人であった弟子が、そんなことをするわけはない。しかし、マタイ伝では、イエスの死体を盗み出す可能性が紹介されているから、可能な話ではあるわけだ。馬鹿馬鹿しいけど。