Comments by Dr Marks

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Shalom from Israel、しかしアラブ地区には行きたくないイスラエルのタクドラ

ご覧の Youtube は、この夏から始まり、今でもテレビを観ていると週に何回かは出てくるイスラエル政府観光局のコマーシャルだ。イスラエルは楽しいから来い。安全だから来い。そんなメッセージだが、多分、ニューヨークやロスアンジェルスユダヤアメリカ人向けかもしれない。

ベングリオン空港でシェルート(乗り合いタクシーを意味するヘブル語、アメリカならシャトルバスと言われるもの)を利用した。タクシーの8分の1くらいの料金だから、少しチップを上げてもタクシーよりはお得。貧乏人のおいらには都合がいい。

ところがだ。エルサレム方面行きで旧市街の少し東のアラブ地区の名を告げたら「行きたくねー」とぬかす。怒ったおいらはヤマカ被ったタクドラ采配師に「何だ何だ、あいつは。俺は政府のコマーシャル見て来たんだぞ。あの態度は何だ。」すると采配師はタクドラを呼びつけて説教したから、しぶしぶ乗っけてくれた。降りるときには手ごわいと思ったか、標準の料金(50シェケル)を正しく告げたので、20シェケルのチップをはずんだ。今度は機嫌を直してニコニコしてくれた。

もっとも彼の気持ちもわからないではない。イスラエルではユダヤ人のタクシーは白、アラブ人(パレスチナ人という言い方もあるがアラブ人とする)のものは黄色だ。本来は乗車拒否はしないでどこにでも行くべきだが、ユダヤ人はアラブ地区には行きたくない。とくにアラビア語ができなければ怖いのだろう。中央バスステーションで夜間にタクシーを捕まえようとしたときも拒否された。しかし、親切な人で、代わりに白いタクシーを運転する仲間のアラブ人タクドラを呼んでくれた。