Comments by Dr Marks

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アメリカの幼稚園から12年生まで(初等中等教育)の全米統一教育基準(良いことか、悪いことかは置いといて)アラスカ州とテキサス州は未加盟

6時半に帰宅するとさすがにもう暗い。夕食を用意しながら7チャンネル(ABCテレビ)をつけ、ダイアン・ソーヤーの国際ニューズを観て、食事をする頃にはジョパディーという番組が始まる。この30分番組は一種のクイズ番組だが、「アメリカ人としての常識(知識)力」を競うものである。

そう、あくまでもアメリカ人としての知識であって、そのまま日本などで通用するものではない。結構難しく、予選を勝ち抜いて番組に出てくる3人1組は、結局のところ弁護士とか大学教授、高校の先生、大学院生などになってしまう。しかし、内容は実際には子供の頃からの家庭環境、義務教育などで習得したもので、まさか専門的な知識を問うものではない。

私はアメリカで義務教育を受けていない。しかも、笑っちゃいけない。ナチュラルボーンのアメリカ人でも14年間は在米していなければ大統領に立候補できないが、この私は(ちょっと計算してみたのだが)切れ切れの出入国記録を集計してもやっと14年間在米しているだけなのだ。これでは、Dr. Marksはちっともアメリカ人としての常識など持ち合わせていないわけだ。(誰だ、そこで人間としての常識もない、と陰口叩く奴は!)

さて、これは昨日の報道だが、アメリカ政府の肝煎りで、これからは学校教育における統一教育基準が動き出すらしい。昨日は、実際に、算数・数学と英語の具体的な基準が提示された。うん、何年生ならこの英語の作品は読んでおかなければならないとか、ピタゴラスの定理は何年で履修するといった類のものだ。詳しくはここで知ることができる。http://www.corestandards.org/

今夜は少しサービスして11年生と12年生の読解力の基準(案)なるものを紹介しよう。いつも原文(英文)だけだと評判が悪いので、今夜は更に出血大サービスだ。日本語訳も付けちゃう。持ってけ泥棒。(叩き売りだね。)まあ、拙訳はまさしく「拙」訳ではあるが、機械翻訳よりはましだろう。

ところで11年生というのは日本でいえば高校2年生で12年生が高校3年生に当たる。従って、アメリカで「K-12」というのは「幼稚園から高校3年生」までという意味なのだ。

Reading Standards for History/Social Studies & Science 11-12


Key Ideas and Details
1. Cite specific textual evidence to support analysis of primary and secondary sources, connecting insights gained from specific details to an understanding of the text as a whole.
2. Determine the main ideas or information of a primary or secondary source; provide a summary that makes clear the relationships between the key details and ideas.
3. Analyze how ideas and beliefs emerge, develop, and influence events, based on evidence in the text.


Craft and Structure
4. Interpret the meaning of words and phrases in a text, including how an author uses and refines the meaning of a key term over the course of a text (e.g., how Madison defines faction in Federalist No. 10 and No. 51).
5. Analyze in detail how a complex primary source is structured, including how key sentences, paragraphs, and larger portions of the text contribute to the whole.
6. Evaluate authors’ differing points of view on the same historical event or issue by assessing the authors’claims, evidence, and reasoning.


Integration of Knowledge and Ideas
7. Synthesize ideas and data presented graphically and determine their relationship to the rest of a print or digital text, noting discrepancies between the graphics and other information in the text.
8. Evaluate an author’s premises, claims, and evidence by corroborating or challenging them with other sources of information.
9. Integrate information from diverse sources, both primary and secondary, into a coherent understanding of an idea or event, noting discrepancies among sources.


Range and Level of Text Complexity
10. Read informational text independently, proficiently, and fluently in the grades 11–12 text complexity band; read“stretch” texts with scaffolding as needed.


高2−高3の歴史・社会分野ならびに科学での読解力の基準


主題の把握と細部の認識
1)資料本文を全体として理解するための各細部から得られたそれぞれの識見を互いに関連づけながら、一次・二次資料の分析結果を支持する目的に合った原文を証拠として引用できること。
2)一次・二次資料の主題ないし主なる情報が何かを判断し、鍵となる各細部と主題の関係を明らかにした要約が書けること。
3)与えられた資料本文に基づいて、いかにして当該の意見や信念が生まれ、発展し、事象・事件に影響を及ぼしたかを分析できること。


修辞技巧と構造
4)文章の流れの中で著者が鍵となる専門用語の意味をいかにして取り入れ正確を期していったのかを含め、資料本文の語句の意味が理解できること。(例:マディソン大統領が「合衆国憲法解釈(Federalist)」の第10および第51の中で「派閥」をどのように定義しているか。)
5)鍵となる個々の主題文、段落、章節が、いかに資料本文全体の中で効果を発揮しているかを含め、入り組んだ一次資料がどのような構造なのかを細部にわたって分析できること。
6)さまざまな著者の主張、証拠、理由づけを吟味しながら、同一の歴史上の事件や問題に関して、著者ごとの異なる観点を評価・判断できること。


知識と主題の統合
7)図式と図式にはない本文の情報との相違に留意して、各主題と図式的に提示されたデータを総合し、その総合されたものと残りの印刷本文あるいはディジタル本文との関連性を発見できること。
8)対象となる資料に対し、それとは別の資料の情報を付き合わせて、議論を補強したり批判したりしながら、著者の議論の前提、主張、証拠を評価・判断できること。
9)資料間の不一致に留意しながら、一次・二次のどちらにおいても、多様な資料から求めた情報を思想や事件の首尾一貫した理解に統合できること。


資料難易度の範囲と水準
10)高2−高3の範囲で提供される情報資料を、一人で、上手に、すらすらと読めること。また、「拡張・応用」資料を、必要に応じて適当な足場となる教材を利用して読めること。

以上だが、ところで、テキサス州アラスカ州は加盟していない。なぜか? 多分、論理的な思考など不要でショットガンをぶっ放せばいいから。嘘、ごめんなさい。撃たないで。わかってますよう、州独自の基準で十分だから連邦の世話にはならないってんでしょう。