Comments by Dr Marks

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聖書学で「居場所(納まり場所)」を探すといってもね。まあ、気張りなはれ。2010年SBL学会の学生および求職中若手学者向けセッションから。

今年はジョージア州アトランタ市でSBL(Society of Biblical Literature)の年会がある。いつもの通り、感謝祭前の11月だ。今年は行かないかもしれないがまだわからない。来年はサンフランシスコなので必ず行くし、発表するかもしれない。また、来年はAAR(American Academy of Religion)と共同開催のはずだから、いろんな人に会える。

SBLは本来は北米(米国・カナダ)の聖書学者の集まりだが、実際はヨーロッパはおろか日本からも40名くらいが(日本にいるアメリカ人学者等を含む)会員として加わっている世界最大の聖書学学会だ。だから変な部会・セッションもあるわけで、下記の通り。

学者の卵の学生会員向けの集いだが、いまだに就職口の決まらないポスドクあたりには(ポスドクにもありつけない者を含め)役に立つのかもしれない。それぞれが自己の経験談というか、表向きはどのような研究テーマや専門に進んできたのかという話だが、つまりはどのようにしてコネを付けて現在の職にありついたかという「自伝」となりそうだ。

なお、パネリスト一人一人の名前の後に、公開されているデータを入れてみようかと思う。ただし、この中で生年月日を公開していたのはたった一人なので、年代は大学卒業年から推定したもの。近頃は生年月日を公開しない人が多い。推定には(?)を付けた。また、博士の学歴しか公開していない者が一名いたが、これはむしろ稀で、日本のように高校の学歴を書くことはないが、学部の学歴から明らかにするのが常識である。

アメリカの学者だから、学士、修士、博士のどこかの段階で、どこかのアイヴィー・リーグ卒・修了が圧倒的に多い。というか、未就職の座長と博士より下の学歴不明1名とイギリス人1名を除けば、全員がアイヴィー・リーグ出身であることに注目してほしい。これは、このセッションの参加者がたまたまというより、アメリカの一般的な傾向と思っていただいていい。平家にあらざる者は・・・アイヴィー・リーグ経験せざる者は・・・なのだ。まあ、ここの出席者の所属するような一応名の通った大学の専任の場合だが。

ところで、このセッションの座長だが、余の後輩で、まだ学生(Ph.D. student)じゃよ。まあ、そんなテーマのセッションだから彼のようなのが適役なのだろう。それで学会で座長を務めたと履歴書に書けるわけだ。しかしなあお前、いいブログも書いてるし、博士になる前からこんなことに関わっているのは悪いことではないと思うが、論文書くどころか博士候補の資格(Ph.D. cand)もまだなんじゃないか。はよ、せーよ。母ちゃん泣いとるやんか。

Finding Your “Niche” in Biblical Scholarship
11/21/2010
9:00 AM to 11:30 AM

Patrick George McCullough, University of California-Los Angeles, Presiding(博士課程学生、30代前半?、男性)
Christopher B. Hays, Fuller Theological Seminary, Panelist (10 min)(未テニュア専任、30代?、男性、アイヴィー出身)
Katharine Doob Sakenfeld, Princeton Theological Seminary, Panelist (10 min)(50代?、女性、アイヴィー出身)
Dale B. Martin, Yale University, Panelist (10 min)(50代?、男性、アイヴィー出身)
Mark Goodacre, Duke University, Panelist (10 min)(40代、男性、学部・院ともオックスフォードのみ)
April DeConick, Rice University, Panelist (10 min)(40代?、女性、博士課程前の学歴不明)
Paula Fredriksen, Boston University, Panelist (10 min)(59歳、女性、アイヴィー出身、オックスフォードも修了)
Discussion (90 min)