Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

モナリーサの微笑みもダヴィンチの気持ちも科学ではわからない


と、謙虚な科学者ムスュウ・フィリップ・ウォルターは言う。フランスはパリのLaboratoire du Centre de Recherche et de Restauration des Musees de France(フランス美術館保存研究センター実験室)で今回ウォルター先生がX線蛍光分析法(XRF)でモナリーサの調査をした。〔http://bit.ly/bmzjzb

今から500年以上前のスフマート(sfumato)法という絵の具の重ね具合や絵の具の組成を調べたわけである。その結果、絵の具の油と色素の混ぜ具合などもわかったが、凄いのは絵の具の重ね具合だ。一層は1-2 micrometer (マイクロメーター=ミクロン)だが、それが色の黒い部分に至ると30−40 micrometer の厚さになるまで重ねられていた。

こういった研究は具体的であり、美術史の研究に大いに資するのはわかる。しかし、ムスュウ・ウォルターの言うように、絵画の材料のことはわかるが、描いたダヴィンチの意図や気持ちまではわからない。恐らく、モナリーサの謎は一向に減ることはない。例えば、モナリーサが微笑んでいるからスフマート法が効いているのか、スフマート法で描いたから微笑んでいるように見えるのかなどだ。

結論:美術評論というやつは、科学が進もうが進むまいがトンデモがいくらでもまかり通るわけだ。"They just lie there and they die there . . . Mona Lisa, モナリーサ♪"