辞書にはないのに誰でも知っている言葉("pat down" or "patdown")、合衆国運輸安全局の局長の名前は「拳銃」、死体を密輸しようとした女たち、いずれも飛行場のセキュリティー・チェックの話題だな
今、感謝祭の旅行シーズンならびにこの時期に多い学会シーズンなので飛行場の話題を。三題噺だな。
飛行場でブッブーが鳴ったり全身スキャナーを拒否したりすると全身くまなく触られる。このことを「パット・ダウン」という。名詞にも動詞にも使われるが、普通の辞書には載っていない。だが、アメリカ人なら誰でも知っているという不思議な言葉だ。Pat というのは tap と同じでパタパタと軽く叩くこと。まあ、上から下へ普通叩くから down が付くわけだ。元々、警察が不審者の身体検査で使ったらしい。
合衆国運輸安全局(United States Transportation Security Administration: TSA)のトップの名前は John S. Pistole。ピストル氏は元FBIの次官。政府高官の名前だからちゃんとウィキにも載ってるよ(http://en.wikipedia.org/wiki/John_S._Pistole)。余がしばしば拳銃のことをピストルではなくペストルとも言っているが、実はピストル家はペストル家(Pestole)とも同族なのね。ホントよ。
今年はこの数か月のうちに知人が二人旅先のフロリダで亡くなった。旅行先で亡くなると、土葬が多いアメリカ人も、超高額な死体運搬が大変なので現地で火葬にすることが多い。しかし、死体を車椅子に乗せて(死体だと「載せて」?)飛行機に乗せようとしたのだが、セキュリティーで捕まった。今年4月の英国からドイツへの便での話(http://bit.ly/e6Jbuu)は有名だが、他にもいくつか事例があるらしい。
上記の記事の他にいくつかの記事を読んだので掻い摘んで話す。91歳の元パイロットのお爺さん(の死体)にサングラスを掛けさせ、車椅子に乗せてセキュリティーを通ろうとしたが、不審に思った係員が同行の二人の女性に尋問したところ「この人はいつもこんなふうに眠ったようにしていて、普段から顔色も青いんです」と答えた。係員は責任者と医師を呼び検査したところ、誰にでも額に触っただけで既に冷たくなっているのがわかり、医師は「死亡」を宣告した。辺りにいた人々はショックでのけぞったが、二人の女性ものけぞった(ふりをした)そうだ。