Comments by Dr Marks

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年々増加する米国の火葬は東高西低だろうというのは都市伝説

いまだに多数派である米国の土葬も年々火葬に追いまくられている。かつて余も訪れたことがあるが釜山の朝鮮戦争国際連合墓地では、戦死者の割に米軍軍人の墓が少ない。遺体は現地で埋葬せず、日本で防腐措置と化粧をほどこしてから、米国本国に送り返したからだ。一つには土葬を習慣とするキリスト教国であるという理由もあるが、なるべく死者が誰かわかる形で遺族に送り届けたいというアメリカ人の心情がそうさせた。

しかし、軍が(国家が)遺体を空輸するのはたやすくても、個人が遺体を遠方まで送るのは誰にでもできることではない。葬儀屋に書類を調えさせ、遺体の保存処置をしてもらい、更に空輸その他の手続きをしてもらうと一財産かかってしまう。だから高齢になると、冗談で「もう旅行はしませんわ、旅先で死んだら土葬にしてもらえん」と言う人も出てくる。先日のブログに書いた笑えぬ事実、「死人の密輸未遂」事件も起こるわけだ。

法で規制しているという意味で悪名高き(?)日本の火葬率は、今なお土葬が可能なのは一部の地方だけだから、98%を超えていると推定される。少し前なら米国は25%に満たなかった。ところが今では30%を超えてしまったらしい。ここに一つのデータを紹介する(http://bit.ly/eQjqIn)。

ところで、これで気づいたことがある。かつてアメリカの火葬は人口密集地帯の東部で多くなってきた。土地が少ないからだというのが理由だった。これで見ると、そりゃ都市伝説じゃん。東部は依然土葬が多く、むしろ西部のほうが火葬が多い。ワシントン州もそうだが、ハワイ州日系人仏教徒や中国系が多い。それに、確かにハワイのオアフ島は人口の割に土地は少ないな。カリフォルニアは年々確実に火葬が増えてるよ。あ〜あ。