Comments by Dr Marks

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猫猫先生、レスが長くなったので…記事になりました

このレス記事の直ぐ後に、猫猫先生の新しいコメントが入りました。私も教えられることが多く、皆さんの益にもなると思い、記事の末尾に追加します。皆様、基本的には後12時間後(私の夕食後)しかこのブログには戻りません。小谷野先生、この hatena のコメント欄は書きにくいですね。ご迷惑をお掛けしました。

jun-jun1965 『ubcを中退した事情は、『なぜ悪人を殺してはいけないのか』という本
の最後の文章に書いてあるのです。』 (2007/09/28 18:59)

jun-jun1965 『大伯父との関係で日系→大伯父が日本人→ならば祖父か祖母が日本人
→すなわち祖父か祖母との関係で日系→なぜ大伯父か』 (2007/09/28 21:13)

ああ、その題名は記憶にあります。ある日本の神学徒がやたらつまらない哲学論の展開の中でブログに書いていて、何となく読みたくない本だと思っていたのですが、食わず嫌いはよくないので買います。多少印税入りますか。(ああ、また本代!)

留学生の中退は経済的な問題とか(←先生のことではなく一般論として)非常に複雑で、勝ち組負け組的に単純化する人がいる のは現実を知らない(痛みを知らないとは言いませんが)人に見られる現象です。また、大学内に複雑な力関係があることは何処も同じで、小谷野先生に描写された阪大のケースは時津風部屋的に極端だとしても、日本以外の大学でも五十歩百歩なものだと思います。(陰の声:50歩と100歩の差は無視できないが。)

一般的に厳しい北米でも、敗者復活の道は必ずあるし、遠回りして大成する人が少なくないことも事実。(門外漢でよくわかりませんが、先生の研究内容から言えば、東大で終わらせるほうが自然なように思いました。)これも口癖ですが、Karl Rahner などは Martin Honecker の嫌がらせでフライブルクを flunk した後、インスブルックで学位を得ましたが、フライブルクで書いた論文は後に出版され、翻訳も出ましたね。そんなもんです、人の評価なんて。1回限りの人生ですから、好きなことを書いて好きなように出版する。100年後に1人が熟読してくれたら、それで「冥利に尽きる」。(←これはちゃんと辞書を引いたぞ。前々回の記事で「正鵠を射る」と書いて笑われた。「正鵠を得る」、「的を射る」だぞ、この馬鹿って、東大阿呆学士様からありがたいご指摘。感謝します。受験生が間違うといけないので直しました。)

ええ、そうです。母方の。母の「おじ」の一人のはずです。しかし、母自身腹違いの兄弟やら何やらですからよくわかりません。七郎の後妻や七郎の子供たち孫たちには会ったことがありますが、亡くなった本人との面識はありません。東大名誉教授で産業医科大学学長(だった?)小泉明教授が、ハワイ大学で公衆衛生学の修士を取ったときに日系渡部教授の妻に世話になったと、ある時たまたま私に語り、えっその人の名はTではありませんか、と私が言ったので、small world と驚いたものです。彼女は英語で育ったが、日本女子大学に留学していたので、いったん日本語モードになると立派な日本語を話し、きれいな日本文字を書いた。

狭い世間といえば、ギクッ、先生と血が繋がってはいないでしょうね。まあ、それならそれで私は光栄ですけど。そう、本家ブログにあるように私の誕生地は七郎と同じ日本の会津、日本語は母語です。日本語を忘れないように先生の本や漱石全集でも読みます。古典も活字になっていれば読めますよ。日本の古典より漢文(あっ、中文でなく、漢文なら日本の古典の一種ですね。でも、白文でも多少読めますよ。)のほうが楽かな。あっ、珍しい説ではありませんが、私は韓国朝鮮が漢字教育を投げ出したこと、日本人が戦後に新仮名遣いにしたこと、これらが両国で子供たちが古典嫌いになった原因だと思っています。私の本家ブログの常連である「あがるま」さんなんか、若いのに一貫して歴史的仮名遣い(←この名称が気にいらん、自分たちが歴史の彼方に追いやっただけじゃないか)です。感心な若者です。今朝はこの辺で。

jun-jun1965 『恐れ入ります。いくつか訂正します。印税というのは、増刷した時に入るのが普通なので、一冊売れても入りません。(ジョークとしても、読んだ人が勘違いするといけないので)
また「勝ち組・負け組」というのは、太平洋戦争終結時、ブラジルにいる日系人の間で、日本が勝ったと主張する人たちと、負けたと主張する人たちのことで、現在日本で使われている用法は誤用です(上に同じ)
はい、酒乱がいるかどうかは知りませんが、北米の大学が「公正」などでないことは、大貫恵美子先生から聞きました。(聞かなくても分かりますが)
あとこれはコメントですが、イアン・リーヴィは万葉集の英訳で全米図書賞を取りながら、大学のテニュアが取れず、日本へ来て作家になり、今は法政大教授です。
私の家は碌なものではないので、日本人みな親戚、という意味以外では、血は繋がっていないでしょう。
戦後の子供が古典嫌いになったかどうか知りませんが、それは別に仮名遣いとは関係なく、古典教育に力を入れるのをやめたからで、それは日教組という
ものが支配して、古典は封建的でよくないとして弾圧したからです。それに日本の古典はエロティックなものが多いので子供には教えられていません。戦前は太平記が人気がありましたが、楠公礼讃は戦後はできないので、あまり触れられていません。
小堀先生は、正仮名遣いで博士論文を書かなかった人を活字上で叱責しました。
「正仮名遣い」というんですよ。私は『のらくろ』を愛読して育ったので正仮名遣いに親しんでいます。
って何ですか? 』 (2007/09/29 00:50)

1)印税というのが何かはむしろ私の得意分野で承知しています。しかし、1冊1冊が売れて増刷に繋がりますから、これは削除しません。もっとも、誤魔化す出版社もあるからなあ。田川建三先生がホームページで怒っていましたね。
2)えーと、何ですか。思い出せませんが、今日本で流行っている言葉。似たような表現で何かあったら誰か教えてください。それに、その定義は歴史的な意味の一つで私の使い方は許されないのか、今のところ納得がいきません。(私、頑固者ですが、3人以上から同じ指摘があったら改めますので、今しばらくこのままにします。すみません。実は、先日、私の祖先のことを「山師」と書きましたらヤマシイことをしていたのかと言われました。そして、辞書を引いてビックリしました。大別、3つの意味がある。私のはペテン師という意味ではないのです。事業家になって一攫千金を追いかけていた祖先のつもりでした。法的に悪いことをしていたわけではありません。)
3)リーヴィ先生というのは偉い先生ですよね。噂は聞いてます。アメリカもヨーロッパに目が向いていた1950年代頃までなら、翻訳で学会にデビューできたのですが、いかに学術的なものでも今は翻訳に手をつけてしまうと学者と見られない傾向が出ています。個人的には嘆かわしいと思っています。
4)私の家も皆碌な者ではありませんので、逆に近いかもしれません。例の兄嫁が blue blood の出だなどとおっしゃっちゃってくださいましたので、爬虫類とは付き合わんと言ってやりました。私の細君もかんかんです。
5)「正仮名遣い」! ありがとうございます。また勉強になりました。どんな教科書でも「歴史的仮名遣い」などとふざけた言い方しかしていないので勝手に腹を立てていたところです。浅学で知りませんでした。正仮名で書こうとすると変換が面倒でまた腹が立ったりしますが。高校くらいになると、先生が密かに(?)「きぬぎぬの別れ」とか「みちゆき」とか教えるものではないのですか。そんな先生もいない嫌な日本になりましたか。私も正仮名大好きで、小椋何とかさんの「正仮名もどき」は何じゃと憤慨している者です。メロディーと彼の声はいいけど。