Comments by Dr Marks

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ジミーがそこまで言ったわけではなかろうに

   Wikipedia 創設者の「すすめ」について) 


Jimmy Wales と言えば Wikipedia の創設者。私は近頃は「WPに書いてある」と言えば、誰もWPをword processorと思う人などないだろうから、面倒なのでWPと書くことにしている。WPにはお世話になっているし、ペン大教授の Robert A. Kraft 前SBL会長同様に、利用の仕方さえ心得ていればどんどん利用すべしと考えている。

ただ、この際表明しておくが、私のWPへの参加そのものは熱心ではない。日本語のWPに1回、英語のWPに数回ちょっかいを出しただけで、何語であっても項目を立てたことはない。余りにもひどい間違いがあって訂正を載せただけだが、そこだけ直せばいいというものだけで、ひどすぎるものについては直すのも面倒なので放っておくことにしている。そんな程度のレベルであることもWPの実態ではある。しかしそれでも、私は物事を知る第一ステップとしては大変に有効な事業と評価している。

ところが最近、本家でおなじみの Mark Goodacre 君のブログ を覗いたら、ジミーが、高校以下の教育現場ではWPを引用(being used as a reference)させるべきだ、とOnline Information Conference 2007 at London’s Olympia で語ったということで 問題にしている。BBCの記事では専門家向けの「すすめ」ではないようだ。しかも、記事の見出しは引用ではなく利用(should use Wikipedia)なのだから、WPを学問的な権威にしようなどとジミーが思っていることもあるまい。

WPを足がかりとして、しっかりとした文献を引用すればいいわけだ。マークは心配しすぎだが、学生諸君、いずれにしろ―学問的文献にしろWPにしろ―参照したことを明記せず、かつそのまま流用するならそれは剽窃(plagiarism)だから、アメリカなら最悪の場合、退学処分を覚悟したほうがいい。

図書館に行け、図書館に行け! ブラウザで草を食むのもいいが、書庫でbrowsing しているとWPよりもいい掘り出し物があるぞ。若者よ、図書館に行け!