Comments by Dr Marks

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猫猫を読んでの独り言(疲れ直しに)+ 追加

何だかまた忙しくなって、いろいろな不義理もできてきたが、こんなときこそ一服に猫猫ブログ。開いてみたら、独り言が言いたくなった。ともかく、猫猫先生のお陰で新しい日本の人の名前を次々に目にするわけだが、猫猫先生の限られた関心だけではなく、というか関心そのものが広い人だから、これが日本の Gegenwart かと、文芸ニュースでも読むつもりで楽しんでいる。

ただ、先生は時折、東大というマイナーな世界にも言及される。もっとも、ブログだから身辺に東大があれば当然だろうし、東大が日本のアカデミズムの象徴であるならば、決してマイナーな話題でもないのかもしれない。それならということでコメント。

東大の図書館についての疑問。東大の図書館は、確か自分の出身学部学科の一部の部局図書館に限っては卒業生にも貸し出したはずだが、総合図書館は卒業生(修了生)に入館証を発行するだけで貸し出しはしなかった。今でもそうなのだろう。しかし、小谷野先生は非常勤講師であるから、当然ながら貸出可能な図書館証を持っていると思ったが、磁気カードで借り出さずに一々高額(驚くべき高額!)なコピーをとっておられるのか。そして、図書館員も、教員の貸出カードのないおじさんにはぞんざいな応対となってしまうのだろうか。驚くべき不親切図書館だ。(それとも小谷野先生は貸出カードを作れるのに申請していないだけなのだろうか。それとも非常勤はだめなの。非常勤でもカードを作ってくれるのはアメリカの常識。だって、本借りられなくて授業準備はどうするの。)

他の機会にも書いたことがあるが、ある夜、アメリカへ帰国する前の晩、遅くなってから総合図書館に細君と資料を探してコピーするため入館しようとすると、入館証のない細君は入るなと言うではないか。私は何たる図書館か、若い身空の女を(←年のことはちょっと嘘)五重の塔の避雷針のお化けのようなものがある危険で薄気味悪いところに一人で置けるか、と猫猫先生みたいに(似てるな)「戦争」してやっと入れてもらった。時間が遅く限られた時間でのコピーの手伝いに、細君の手助けは必須だったからだ。

民営化で変わったのかもしれないが、そのくせ現役の身内(学生・教員)には甘かった。院生はコピー代が自分の部局に持っていくと只のところもあった。著作権無視もいいところで、まるまる高額な本を何冊もコピーして只。さすがに、読みもしない本を只だからといってとり放題とは、と顔をしかめた人も少なくなかった。出版に携わる身としても、アメリカなら考えられない無料放任コピーに憤った思い出がある。今では変わったろうね。変わらなければおかしい。

野谷文昭先生は外語大出身ですが、以前から東大の先生方と親しかったはずです。スペインだけでなく、メキシコやカリフォルニアにもいましたね。奥さんは日本人ですが、ひょっとしたら先生よりスペイン語が上手だったりして…(いや、総合力はやはり旦那様でしょう)。そうですか。定年が60歳ではなくなったから60で教授になるケースもあるわけですね。(正確には、野谷は現在59歳。)しかし、戦後の一時期には60過ぎて教授になった例もありますよ。小野秀雄は奇人の一人だったらしいが、文学部新聞学科の教授に63歳でなり、同時に改組で初代の新聞研究所所長になった。終戦直後は何でもありか…。

その学科が変遷を経た現在の場、何とかカンカンとかいうわけのわからない大学院に早稲田出身の姜尚中教授様なんかがいて、猫猫先生に「姜という人は、学者としての業績あるのだろうか。博士号もないし、私としてはタレントとしてしか認識しえないね」などと言われてしまう。しかし元々、東大はタレント好きですよ。タレントを適当に入れて世間の機嫌をとっておいて、他の教授様方は、そういった外からのタレント教授を本心では軽く見ている。うん、そうね、姜先生の主要業績って何だろう。

マイナーな話題はこの辺で、お後がよろしいようで。ああ、忙しい、忙しい、…。ちょっと、お腹も空いたな。

追加として大学教授になる法101猫猫先生川勝麻里の親戚の大学教授や教授だった祖父のことをこのブログで書いている。姜尚中の前のほうだ。普通の人は大学教授は公募で業績によって選ばれると思っているらしいが、公募なんて形ばかりで嘘だ。日本もアメリカもヨーロッパも同じと思っていい。もちろん立派な業績があれば文句はないのだが、普通はその前に、血縁、友縁、師弟縁があるのであって、今頃は話題性というのまで出てきた。しかし、血縁(親族に有力大学人がいる)、友縁(大学より高校が一緒の友人とか)、師弟縁(もちろん出身大学のネームヴァリューを含む)が3大要素だ。一つだけでは絶対駄目。少なくとも二つの縁が必要だ。先日の学会でも学位を取ったばかりの David は、お情けで一学期だけ母校で非常勤講師をさせてもらって実績作りをしているが、一年経つのに「職がねえよー」と嘆いていたので、有力大学教授の娘を見つけて結婚しろと助言しておいた。(だいたい、今どきの大学のレベルは低いのが多いから、高校の先生ができるくらいなら、教えられるのよね。誰だっていい。馬鹿を教えるのはつまんない仕事だし。あっ、それから一部の人を除けば、たいてい貧乏だよ。貧乏だから仲間内で生存をかけて喧嘩するし、それなら医者や弁護士になったほうがいい。子供に金のかかったショーラー先生の家なんか、みすぼらしい我が家よりももっとみすぼらしい。それでも好きだからやるという覚悟がいるね。)