Comments by Dr Marks

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クリントンのビールを笑うオバマが嫌われるわけとは+おまけ+おまけのおまけ

家に5月5日号のニューズウィークが届いていた。表紙は、右側においしそうなビールのジョッキ、左側にサラダに使われるアルーグラ(arugura)の緑の葉っぱだ。言わずと知れた右がクリントンで左がオバマの好み(あるいは好みに見せかけたパフォーマンス)。

その真ん中に置かれた言葉は "Obama's Bubba Gap" だが、訳しにくい。とりあえず「オバマの下層階級との隔絶」(←訳ではなく単なる説明か?)とでもしておこうか。Bubba=ババとは低教育・低所得の下層階級の人たちのことで、庶民よりも幾分下。語源は諸説あってわからない。

クリントンおばさんは、学部がウェルズリーのお嬢様学校で院がエールの法学とはいっても、庶民とビールをあおってみせるところが、ことこまかに政策を具体的に論じて、労働者階級の生活を守るという姿勢が見える。ほんでもって、大人からの支持が厚くなる。

バラックフセインオバマ様は、LAのオクシデンタルからコロンビアを経て、ハーヴァードで Harvard Law Review の編集長を(黒人で初めてだそうですが)なさったエリート(近頃エリートを越してエリーティストすなわちエリート風を吹かすなどと嫌われているが)法律家だから、自分の娘たちの成績まで自慢しているそうだ。まあ、奥さんのミシェルのほうがプリンストンの才媛だしね。因みにマケインおじさんだが、アナポリス海軍兵学校士官学校)をビリから5番目で出た極めて庶民的な方、好きよ!

ともかく、今どきの世論調査によると、黒人だから大統領になるのはどうも、とネガティヴに思う人は白人の中でも2割もいないそうだ。私も黒人でどこが悪いと思う。(しかし、くろんぼアクセントはやめてほしい。というより、黒人ではなく灰色人なのだが。)逆に、昔ならいざ知らず、貴族趣味の大統領は嫌われる傾向だそうだ。近頃、Obama is elitist とか傲慢(haughty)だとかの声が出てきたが、私など初めからそうだと言ってきた。くいっ、と一杯ひっけずに、アルーグラサラダ(ロケットサラダともいう)をお上品(そうに)食べるインテリ(風)オバマは嫌われだしたということか。

フセインオバマ様は、今日はテレビで盛んにジェレマイア・ライト先生の悪口を歯切れ悪く言っていた。このシカゴの有名牧師のところで、オバマはずいぶんと世話になっている。コロンビア大の学部を出たからといって、それだけでろくな暮らしはできはしない。だいたいね、(旧帝大間にも格差があるように)アイヴィーリーグにも格があって、コロンビアは昔から大衆大学だ。出ただけでは、ろくな給料は望めない。しかし、それから頑張ってハーヴァードの法学院に行くから大した者には違いないが、ミシェルが頑張ったんだろうな。

恩人のライト先生が「あの子は政治家じゃないよ」と言ったっていいじゃないの、本当なんだから。フセインオバマは、ときどき言動が大人気ないし、ライト先生の悪口を言うときは、この子は頭が鈍いのかと思うほど話がスローで、パターン化した演説のようにはいかないようだ。

ジェレマイア・ライト博士は、世間で言うほど、またオバマが気にするほど滅茶苦茶な人ではない。先日、ABCテレビに出ていたが、流石にシカゴ大神学部出身でさまざまな神学校の教授らしくオバマ君よりよっぽどインテリだったよ。(なお、ライト先生の学位は、そこいらのメガチャーチの先生方がお金を出してもらう名誉博士号ではなく、ちゃんと自分で取ったものだからね。もっとも、このライト博士は、名誉博士も七つ持っているというのは驚き。←名誉博士号だらけの創価学会の池田会長には負けるけどね。)

おまけ:先日、日本の何とかテレビで、東大の何とか先生がオバマは庶民の小さな金を集めているとリポートしたそうだ。冗談言っちゃならないよ。庶民のところに行って聞けば、50ドル出したとか100ドル出したと言うに決まってるじゃないの。大口献金が多いのが、ダントツでオバマなので、そのことを言わなきゃ何のレポートだ、東大の教授先生よ。オバマ献金集めのエリートよ。その辺りも嫌われるな。

(この間、私たちもマケインに献金した。小切手帳を出してきた細君に私が「今のところは10ドルにしておけ、9月が近くなったらもう少しするさ」と言ったら、細君に「けちんぼ!」と言われた。これが庶民の献金の実態だよ。マケインだってオイラのような草の根献金でやってんだ、東大の何とか教授先生とやらよ、それくらい知っときな。)

おまけのおまけ:毎週月曜日には昔から細君が主催する夕食会が我が家である。このお抱えシェフが私。出席者のボンテ先生など、美味かったときには "You can stay another week" と言ってくれる。つまり、首にしないから来週も料理しろという意味だ。冗談じゃない、ここは俺の家。水曜には習い事の個人教授が夕方レッスンしてから夕食を食べていく。これも私の当番。更に、毎週金曜日の朝は、朝食を食べずに出勤する駐車場係の子に弁当を作ってやる。10年近く作っている。作り続けるとメニューの種が切れる。

久しぶりに大量の豚肉が手に入ったので、月曜日はトンカツにした。火曜日はポークカレーを作り、水曜日にカツカレー。木曜日はカツ丼にしよう。庶民の(恐怖の)連続豚肉料理だ。因みに、アメリカの豚肉は牛肉より1割程度安いだけで、豚肉に比べて牛肉が高いという感覚はない。面白いのは、ビーフジャーキーのほうがポークジャーキーより安いこと。あーあ、豚の夢を見そうだ。