Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

コメントにならないコメント−9 (新手の乞食 or Family Fundrasing)

暗いのだか明るいのだかわからない話を一つ。

今日、ブレントウッド(LAの西、サンタモニカの北)の馴染みのユダヤ人両替商のところに行った。日本円で3万円欲しかったからだ。行ってすぐ、「300ドルといくら?」と聞いたら、「そんなに要らない285ドル」と即座に言う。この人たちの頭には、その日の各国通貨の相場がみんな入っているばかりでなく、電卓を使うことなどは稀で、即座に暗算してしまう。恐るべし、ユダヤの両替商。(日系の銀行などに行くと手数料が高いから、両替はユダヤ人に限る。彼らは、原則、手数料で稼ぐなどと思っていない。各国通貨を集めて、相場の差で稼ぐ。)

と、そこに往く道すがら、ガスステーション(ガソリンスタンド)のある交差点で、赤信号で停まった車に次々に声を掛けている黒人の夫婦がいる。見ると娘さんらしい子供もいる。「何だ、何だ」と初めはみんな驚いてラバーネック(何事かと首を伸ばす)。

どうやら、突然ガス欠になったから、ガソリン代をくれと言っている。ガスステーションのところに古い車も停まっている。彼らの車らしい。赤いガソリン用の小さなポリ容器を車の屋根に載せているから、ちょうどガス欠の「看板」のようでもある。しかし、ガスステーションに停まっているのに、わざわざ運搬用のポリ容器もないもんだ。明らかに嘘。しかし、多くの人が(嘘と知って)笑いながらも1ドル札を彼らに提供していた。(←おお、なぜ1ドルかって? 彼らが1ドルでいいと言ってるから。1ドルならみんな出してくれるということだ。頭がいい。)

ニューズウィークによると、近頃、停車中の車から注油口のリッドを壊してガソリンを盗むというセコイ泥棒が多くなったそうだ。注油口を壊されるよりいいか。それに、なんとなく可笑しい、新手の乞食だから許したろ、ということらしい。