Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

35年間のうちに東大入試を3回受けて3回受かった男−平岩正樹氏 + 哲学ネコ

      

脈絡のないブログなので失礼。上記の絵はすべて猫猫先生の「うふ。」で始まるブログに関連するもので、↓下記の本記事とは関係がない。
上段の猫と下段左がすべてスナドリネコ(fishing cat)であり、下段右の1枚がアメリカン・ショートヘアである。上段左のマンガの猫がスナドリネコであることを今回初めて知ったが、どうも私が知っていた fishing cat のイメージとは違う。そこで、この漫画キャラクターに近いモデルを探してみたのが上段右のスナドリネコだ。
スナドリネコというと、私が大好きなアメリカン・ショートヘアに似ていると思っていた。その似ている(普通の)スナドリネコが下段左の猫。下段右は、一般的なアメリカン・ショートヘアだ。この子は普通の顔をしているが、私が好きなのは大きな丸い顔で思い切り生意気そうな顔アメリカン・ショートヘアだ。
しかし、下段の猫たちだと確かに哲学者の猫にはならない。哲学ネコは、上段右をモデルにしなければならないだろう。ところで、人間をスナドル者になれと言われた人たちは? そう、シモン(ペテロ)とアンデレだね

↑ 随時付け足した記事   ↓ オリジナルの記事

東大を一度卒業した後、編入学で他学科や他学部も卒業する者は意外に多く、また彼ら元東大生にとって、受け入れ先に空きがある限り編入は面倒なことでもなく、編入は3年編入なので卒業するのも簡単だ。つまり、卒業証書2枚。だが、この平岩氏の場合は、編入を認めない課程への再挑戦なので、高校生に混じって、今回などはセンター試験も受けたそうだ。

以上の話は、ある会員雑誌に本人が書いた「また、大学一年生になって」という記事に詳しい。まず、東大工学部を卒業して、医学部コース(理科3類)に再入学し、がん専門の外科医になったが、今春53歳で、今のところの予定だが、歴史学を学ぶため文学系(文科3類)に一般入試で入学したらしい。だから、教養語学や体育もやらなければならない。猫猫先生の授業を取るかもしれない

それはいい。大したものだと素直に思う。私だって人生の中でいろいろと興味が変わり、平岩医師ほど華々しいものではないが、専攻をあちらこちらと変えた。それでも最後の(現在の)専攻である神学・聖書学の世界に入ったのは(入学したのは)平岩医師より若かった。だから、53歳で大学入試から始めた彼を尊敬というより羨望の眼差しで見てしまう

しかし、二つのことが、いやいやそれは個人的な好みであるから、傍から言うのがおかしいことは知っているが、私のブログだから言わしてもらおう。一つは単なる教養主義の人生かということと、二つ目はなぜ東大だけでという疑問である。

今回、歴史の教科書で入学試験の勉強をしていて、ろくでもない歴史書を読み漁るよりも、基礎的(大学入試用の初歩的)な勉強がおもしろいという趣旨のことを言っておられる。これは私も言ってきたことだ。入試が難しいような大学に入った者が基礎的知識が豊富なのはそのせいでもある。この知識を自分の言葉で活用できるようになると教養となる。

また、次のようなことも言っておられる。人間の体であれ、近似値という概念であれ、現場で(多分、正規の学校で)具体的に触れなければ実感できない。これも同感である。私も独学大好きだが、実際はプロの許で「生(なま)」に触れないといつまでもアマチュアであり、何かを知ったとは言えない。

以上は尤もなことであるが、人生には限りがある。それぞれに脈絡のない教養主義であれば、幾つも大学で学ぶことなど無駄な人生にも思える。それよりも今の専門を深めることのほうが人生としておもしろいのではないかと感じるのだ。ただし、人には言わぬ何らかの一貫性や何らかの苦悩があって、3回の大学入学に繋がるのであれば、これ以上は何も言わず、彼が将来何か言うときまで待っているのがいいだろう。

二つ目の、何を学ぶにしろ何ゆえ東大ばかりかという疑問だが、ひょっとして東大がどの分野でも一番(あるいは一流)と思っているのだろうか。さまざまなことを学んでみたいのなら、他の大学にも目を向ける気はしなかったのであろうか。そこが一番入りにくかったからチャレンジしただけではなかろう。これも傍目からの勝手な言い分ではあるが、せめて旧官学は止めて、今度は私学に入ってみるとか、あるいは留学してみるとか考えなかったのであろうか。あちこち首を突っ込み、いろいろ覗いているようで、結局は大海を見逃してしまう気がする。

いや、無礼勝手な言い草で申し訳ない。ともかく、東大再々入学おめでとうございます。