Comments by Dr Marks

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俺より馬鹿だよな、いや俺のほうかな、いやいや俺ごときが比較しちゃならないな−「某」旧帝大教授のブログ

ロンドンでは、ビルから出るとき、先に行くものが、あとから来る人のために、ドアを押さえてやるというのが習慣になっているというメッセージが流れ、映像を見てみると、ドアを押さえて、後から来る人を先に行かせる人は、"Thank you"といわれて、"You are welcome"と応答している。


え、イギリス人が"You are welcome"というのか。つまり「どういたしまして」という意味でイギリス人が"You are welcome"というのだろうか。辞書で調べてみたら、この意味の"You are welcome"というのは米略式と注意書きしてあるものもある。そう、イギリス人は"Thank you"といわれて"You are welcome"なんていわないよな。


とはいえ最近、ロンドンに行っていないので、なんともいえないところがある。イギリス英語は、アメリカ英語に侵食されて、つまりどんどんアメリカナイズされていくから、最近ではイギリス人もふつうに"You are welcome"といったりするのかもしれない。


だから確かなことはいえないのだが、中国から毒入り餃子を輸入したJTのことである。このコマーシャルもいい加減な虚偽CMじゃないのか。アメリカかどこかで撮影して、ロンドンだとみせかけているのではないか。あるいは、ロンドンであっても、"Thank you"と言われたら"You are welcome"だろうとアメリカンな基礎英会話の知識しかないバカ宣伝会社かJTが、イギリス人に無理やり"You are welcome"と言わせているのかもしれない。嘘つき会社にふさわしい嘘コマーシャルである。

えっ、誰って、ほら、あの英文科の教授ですよ。実は、この文章の上には「アミノ酸」(MSG)についてのトンデモ発言があるのだが、今日はせっかくの休みの昼寝の邪魔なのでそちらはパス。今頃、アメリカのレストランでは堂々と使ってるよ。スーパーには山積みされてるし、我が家はMSG大好きだ。もっとも、この教授様のような分からず屋がいるから、使わないと宣言している店もある。

それはともかく、上の引用記事、驚いたね。まず煙り憎けりゃなのかもしれないが、JTに対する邪推もいいところだ。それに、この英文科の大先生は言葉の本質をわかっちゃいない。ロンドンの糞ガキどもなら(どこだって糞ガキはいるが)、いや糞ガキがろくな躾もなく育ったのなら、Thank you と言われて黙っているだろうよ。普通は、何かを言うのだよ。My pleasure であろうが何であろうが、言うのが当然だ。

その言葉の中に You are welcome (You're welcome) もあるのであって、今どきアメリカ人だから You are welcome と言うわけではない。教授様も言うように世界中で標準は You are welcome なんだよ。ただし、この世界的に標準的な表現をアメリカ人(俺)だからといっていつも使うわけじゃない。状況によっていくらでも表現はあるし、使うのは10回に1回かもしれない。主に、親しくない他人によそ行き的場面で使っている。

そう、まさに上記のコマーシャルのような場面だよ。まさか、スーパーのレジで Thank you とは言われても、You are welcome とは言わない。ただ、目でレジの姉ちゃんに向かって笑って、鼻先を相手に突き上げてハハンと言うだけさ。あっ、鼻毛切っておこう。

それに今気が付いた。辞書などや会話の本では「どういたしまして」って書いてあるけど、この日本語ってあまり使わないよね。他の表現をすることのほうが多い。いずれにしろ、Thank you と言われたら何か言おう。下のサイトの問答集も面白いので紹介する。フランス語との関係だけど、今回の問題とも関係する。う〜ん、You are welcome をロンドン舞台のCMで使ってどこがおかしいのかなあ…。

http://209.85.141.104/search?q=cache:YiTOR1K8SZ8J:forum.wordreference.com/showthread.php%3Ft%3D62612+You+are+welcome&hl=en&ct=clnk&cd=1&gl=us