Comments by Dr Marks

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Peace Pot Microdot−"None of This Makes Any Sense"

Peace Pot Microdot という文字の入った帽子を三浦和義は被ってロスアンジェルスに降り立ったそうだ。そういえば、金曜日に当地のニューズで見たときに、そのようなものを被っていた。Peace Pot Microdot、略して PPMD というのは、古典的ヒッピーの用語だが、意味は多義的だ。だから、”None of this makes any sense”(何のことやら、さっぱりわからん)という弁護士ガラゴスの言葉になってしまう。

というのは冗談だが、PPMD はヒッピー連中のあいさつで、マリワナ(Pot)やLSD(Microdot)や反戦(Peace)やらということであろう。ヒッピー同士の別れの挨拶で、PPMDと言うこともあるらしい。ガラゴスはニューヨークにいたらしく、そこで獄中自殺のニューズを聞いて吐いた言葉が None of this makes any sense ということらしい。

LAPD署長 Bratton は、これで真相究明の道は断たれた、というし、意気揚々と三浦を護送してきた Jackson 刑事は、非常な落胆を覚えているようだ。彼自身が20年待ったチャンスだったのだから、その気持ちは痛いほどわかる。今後は確かに、一定の時を経たなければ、関係者がどのような新たな証拠で公判に臨んでいたかを公表することはないだろうし、その場合でも弁護側や被告人の反論も一切不可能となった。

しかし、事件当時に指揮を執った White 氏によると、この自死自殺は一種の罪状認否における「その通り間違いありません(guilty plea)」との告白のようなものではないかとコメントしている。そうかもしれない。しかし、今まで頑張っていて、今になってどうして諦めたのか。

弁護士ガラゴスによると、自分はニューヨークにいたが、事務所の弁護士を接見に向かわせたと語っている。しかし、三浦は埒があかなかったのか、LAの日本総領事館に電話して Masaru Dekiba(漢字不明出来場勝)という領事と面会している。ともかく何らかの助けを求めていたのかもしれない。また、護送で非常に疲労していたというし、三浦が最も嫌っていたアメリカ式の留置場など不安が募っての出来心か。

いやいや、やはり観念したのであろうというのが大方の見方のようだが、もう一つありそうな気がする。三浦はもう金がなかったのではないか。金さえあれば、ガラゴスのような強欲弁護士にすがってでも生き延びたかもしれないが、金もなく、ガラゴスもやる気がなければ、いっそということだったのかもしれない。いずれにしても、真相は闇の中となった。(個人的には、法曹界にいる兄と一緒に傍聴する予定でいたのに残念。兄も日英バイリンガルだから。)