Comments by Dr Marks

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小谷野敦先生のブログ「オオカミ少女はいなかった」について少々

はははは、これで三部作。いや、意外と文献に関するネタは我がブログの読者には受けることもわかったので、ブログ・シャバートなんだがもう一回やってみる。

WPで香山リカが「本名・非公開」になっているが、立教大学教授が本名非公開なんて、ありえるのか。Ciniiで香山の本名で検索したら論文が二本出てきて、片方は被引用されていたので、おお中塚尚子の論文を引用するやつがいるのかと思って、見たら、もう一つの自分で引用していた・・・。自分で引用してもサイテーションになるのか。佐伯さんも昔は注にずらずらと自分のエッセイが載っていたっけ。(猫猫ブログより)

そうです、小谷野先生。残念ながら(なんて言っちゃいけないんですが)自分の論文で自分の他の著作を引用したら引用された自分の著作も被引用となります。引用率(citation rate)というのを流行らせた男は Eugene Garfield だ。この写真で見るとなかなか堂々とした学者にも見えるだろ。ところがどっこい。小柄で気さくで変なおじさんなんだ。同業だったこともあって、フィラデルフィアで会ったときなんか、こちらは時間がないと言ってるのに、絶対今やってる面白いことを私に見せるまでは帰さないなんて袖引っ張るんだ。気のいい駄々っ子爺さんだが、研究を金に換えたしたたかJでもあるね。(俺もあやかろう。でも、才能がなー。)

日本でこの引用率で学位取った男がいるね。確か、山崎茂明先生だ。ただし、古巣の慶應義塾大学大学院の図書館学では博士をくれなかった。元々の出身学部は早稲田大学のようだが、早稲田でも慶應でもなく、どこか新設のところで取った。しかし、黒古某よりは本格的な図書館情報学の先生だと思うよ。(こんなことを言うと、黒古某は「我は近代文学者なり」なんて開き直るんだろうな。)

さて、引用率だが、原理はWPででも見てもらうことにして、一刀両断にスパパパンと切ってしまおう。ありゃあね、金出すほうとしては研究費をどこに撒くかわからないので便利なものとして使ってるし、金もらうほうとしては研究費要求の根拠として使われているが、学問上の本質的なインパクトあるいは重要性とは関係がない。偽心理学みたいなもんさ。なんて言うと、うぁーってお叱りがくるかな。山崎先生から来たりして。しかし、実際、少なくとも我々の分野では関係ないね。ノー・インパクト!

おまけ:そういえば、このところ他のブログ2箇所で「心理学なんか嫌いだ」とコメントしてきたばかりだが、小谷野先生も嫌いなんだ。それと、Dr. Marks は哲学も嫌いなんだが、ちょっと事情は違って、哲学で落第したからなんだ。多分、内緒だけど、逆恨み。だから、嫌い嫌いと言ってても未練がましく哲学書を読むし、分析哲学の蒼い龍さんのブログでは連投でコメントして、ひょっとしたらブログ主さんに迷惑掛けたかも。(そういえば、長い時間掛けてカントも読んでる。未練がましく。本屋がこれ買いませんかって勧める近刊のカント研究書まで買っちゃった。聖書学やらないで何やってるんだか。そういえば、哲学のあがるまさんが近頃コメントしてくれないな。まだ、ドイツにいるのかな。ドイツからのアクセスはあるけど…。)