突然、交差点の名前が変わった日―撮影隊をパパラッチ
映画産業の地元なので近所ではしょっちゅう撮影が行われている。写真でもわかるようにまことに典型的な小市民型の住宅地だ。しかも、L.A.としては古い街でもある。撮影となると大型車両がずらっと並ぶので、今日も家の前は駐車禁止になってしまった。一部は交通止めにもなる。もちろん、そのつど市にお金が舞い込むので、白バイの警官も何人か15時間くらいに及ぶ撮影の間へばり付いている。
そして、我が家でも２−３年に一度は、ドライヴウェー（車の出入り口）を貸したりすれば謝礼が入ることになるが、今回はそれはなし。むしろ、近所のドクター・クマールの自宅駐車場が工事中なので、彼に我が家の裏庭を貸して車を停めさせることになった。彼はこの辺りの金持ちでベンツ２台とレクサス１台を所有しているが、同じベンツでも高いほうのセダンとレクサスを置いていった。金持ちだからお金を払うと言ってくれたが、そこはそれ、武士は食わねど高楊枝、やせ我慢で「ご近所の友人じゃないですか」となってしまう。
それで、ちょっと外に出たら、あーら不思議、見慣れた家の側の交差点が別の名前になっている。本当はAブールヴァードとBストリートの交差点のはずなのに（実名は内緒）、Maple Blvd. と Sycamore St. に変わっているし、角のランドスケープ設計事務所がブティークになっている。*1 その交差点を写真に撮ると通りの実名がわかる人にはわかるので止めて、上記のように姉ちゃんが資材を押してゆく写真でごまかす。ご覧のとおり、映画は力仕事なんだ。この写真を撮っていたら、後ろから「あっ、パパラッチだ」と撮影現場の兄ちゃんに言われてしまった。もちろん冗談だから、みんなで大笑い。
