Comments by Dr Marks

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ユダヤ人は本当に楽天的なのか、あるいはどの程度楽天的かについて

本当は真面目なマルコ伝の話をしようかと思ったが、不真面目な話でお茶を濁す。真面目な人はこの先読まなくていい(と思うよ)。

このご時世、アメリカ版社会主義者の多いカリフォルニアなんかはアメリカで一番消費税が高い州になりそうだし(現在でも8.25%で高いほう)、オバマのスローガンはChange(変革)から Wait(待て)に変わってしまったので、お先のことはわからない。ユダヤ人は、マケインを支持するよりは、そんなオバマを後押しした者が圧倒的に多いのだから(この辺り逆だと思っている人も多いね)、楽天的でなけりゃならないのだろう。

聖書の記述を見れば、随所に明日はなるようになるだの、心配しないで今生きているところで地道に生きてゆきなさいとか、楽天的に生きることを勧めているようにも思える。しかし、ユダヤ人は本当に楽天的なのだろうか。楽天的なら、どの程度なのか。次の話は、私の持っているイスラエル関係の本にも出ているくらいなのだから、かなりの人が既にご存知なのかもしれないが紹介する。

イスラエルは1948年の建国以来、経済的・軍事的危機に何度も見舞われたため、あれほど感激して帰国した者たちも、そのうち落胆してアメリカその他の国に再び散らばっていくことになったことは周知のことであろう。そんなとき、いかにその窮地を打開するか、イスラエル国会クネセットでの議論は白熱したらしい。白熱はするが、名案はない。議会場の議員らは疲労困憊の態であった。


すると、突然、立ち上がって「名案がある!」と叫んだ者がいた。皆の目が彼に(彼女かもしれませんが)集中した。彼は(しつこいようですが、やはり彼女かもしれませんが)、おもむろに「アメリカと戦争すればいい」と言った。皆は、思いがけない衝撃と好奇心から目が点となり、次の言葉を待って騒然としていた議場が水を打ったように静かになる。


「皆さん、アメリカに宣戦布告するのです。もちろん我々は負けます。しかし、それでいいのです。アメリカと戦争をして日本やドイツのように負けましょう。負けて、この国が焦土と化しても、アメリカはすぐに立て直してくれます。工場だって、橋だって、道路だって、学校だって、病院だって、何でもです。長期の借款も与えてくれるでしょうし、食べ物だって、粉ミルクだって送ってくれますよ」


皆はなるほどと思った。確かに、ユダヤ民族は楽観的でなければならない。戦争で、いったんは負けることなどなんでもない。何千年も昔から、ずっと負け続けてきたではないか。負けても生きてきたんだ、何も悩むことなどない。そうだ、アメリカと戦争しよう。皆の顔が明るくなってきた。


しかし、彼らの楽天度はこの程度だと思うのは間違いだよ、読者諸君。彼らの楽天度は測りがたい。究極の楽天家がいて、次のように発言した。


「皆さん、待ってください。そんな楽天的なことでは困ります。もし、我らイスラエルが勝ったらどうするつもりですか?」


The End(文責:マルクス博士)