Comments by Dr Marks

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大した絵ではないが嘘っこジョン・ハーヴァード牧師の銅像と嘘っこジョナサン・スミスSBL会長

最初の嘘っこは今日の午後撮影した、ハーヴァード大学内のハーヴァード・ヤードに鎮座ましますハーヴァード大学創立に尽力したジョン・ハーヴァード先生だ。絵葉書みたいだが、私が撮った。アメリカの多くの私立大学がそうであるように、ハーヴァード大学の始まりもハーヴァード師が教える神学校(牧師養成所)だった。因みに、公立大学の多くは、例えばUCLAのように師範学校(初等中等教育の教師養成所)から始まったものが多い。UCLAなどは医学部も法学部も第二次世界大戦後の創立だから、日本風に言えば新制大学だな。

ともかく、この創設に携わった牧師の一人であり、大学名に名を残したジョン・ハーヴァードだが、どんな顔をしてどんな姿をしていたのなんかはわかっちゃいないのだ。んっ、するとこの銅像は? 彫刻家が適当に選んだ学生をモデルにしたんだと。あきれた話だが、名を残して皮(顔)は残さなかったんだから仕方がない。ゆえに、嘘っこ銅像というわけだ。

さて、そんなに素晴らしい大学の礎(いしずえ)となったのが神学校であれば、さぞや今もハーヴァード大学は神学部を手厚く…。いや、そうでもないらしい。今までサポートしてきた人や団体も変化してきたし、超リベラルな学校にサポートしたくないグループもあるだろうな。詳しくは部外者ゆえわからないが、私立大学というのは(いくら学生から年間5万ドル巻き上げても)大変なのだろう。しかも、神学大学院はほとんど奨学生だろうし、台所は厳しいわけだ。神学部の建物が一番ボロだったよ。_| ̄|O

実に寒い午後で、2時頃でも神学部通りの水溜りは凍っていた。神学部通りにはセミティック・ミュージアムユダヤ学と近東の考古学)と燕京図書館(Yenching Library、中国語文献が主)が並んで建っているので少し覗いてきた。UCLAの燕京文庫なら来る者拒まずだが、本家の燕京図書館はハーヴァードのIDか他大学ならフルタイムの研究者IDが必要。他方、セミティック・ミュージアムは温かくて、誰でもおいで。

それで、二番目の嘘っこジョナサン・スミスって誰だ? 恐らく、日本じゃ知る人は少ない。東大文学部の宗教学の人たちはどうかな。この人は、エール大学で『金枝篇』で有名なフレーザーの研究から、この道に入った。その後は、カルトの研究などで有名で、ダートマスやUCサンタバーバラで教えてから、ミルチア・エリアーデやジョセフ・キタガワのいたシカゴ大学に招かれた。

このお方が、今回、SBLの会長さんに就任することとなっている。経歴からわかるように、SBL(聖書学)というよりはAAR(宗教学)での活躍が多そうだが、明日の会長講演では、SBLの会長になっちゃんたんで、無理して「宗教と聖書」と題して話すらしい。んっ、それで何が嘘っこ? この人、ペテン師? そう、ペテン師だよ。写真を紹介しようと思って、彼の関連ページに行って驚いた。俺の知ってるスミス先生は浦島太郎の玉手箱版かい。髪の毛も髭も真っ白なはず! サイトは現在のだよ、もちろん。ん十年前の写真をよくも貼り付けてるよ、ペテン師! でも、白くなってるだけで、髪型も髭型も眼鏡も、スタイルは今でも同じ。