「トリノの聖骸布」再び―あるいは、ラテン語やギリシア語で書くより英語で書くのが嫌いなアントニオ君についてわかったこと若干
やはりカトリックの方々にとっては重要な問題のようでもありますので、早速ながら(十分な検討もしないでの意味)若干の情報をお伝えします。ボストン美術館の写真は後日といたします。
アントニオ君(Antonio Lombatti)は、もちろん(私は知りませんでしたが)このテーマの業界では有名らしくApprofondimento Sindoneという専門誌を主催しているらしい。以下の情報は、「トリノの聖骸布」の日本語項目の左側にあった推薦記事(☆マーク付き)である英語版とスペイン語版で見つけたものです。
他に☆付きは、ヘブル語、オランダ語、ポルトガル語。日本語版は簡単すぎました。また、ドイツ語版、フランス語版も詳しいのですが、アントニオ君は登場しません。(イタリア語版にもなかったと思う。)
英語版→http://en.wikipedia.org/wiki/Shroud_of_Turin
この中で引用されているものに「死者の両目に置かれたコイン」論争があります。遺体やお棺に銭を入れるのは三途の川の渡し賃で、いろいろな宗教や民族の習慣ですが、ユダヤ教やキリスト教には基本的には(例外あり)存在しない習慣です。聖骸布に含まれた「花粉」論争はたいがい議論は尽くされたように思いますが、アントニオ君と Alan D. Wagner 先生との議論が果てしなく続いているのは次のサイトにあります。
「死者の両目に置かれたコイン」論争→http://www.shroud.com/lombatti.htm
このサイトは、私は読むのを途中で止めました。学会場でもこの議論はありましたが、どうも水掛け論のようで頭でトレースしていると疲れます。しかし、興味のある方はどうぞ。「口に入れたのが目に出る」とか、単なる可能性なのにね。ここでもアントニオ君英語が駄目っていいながら英語で書いてるよ。彼は、英語で書くのは嫌で、できれば母語であるイタリア語か、古典語であるラテン語かギリシア語で書きたいだって!
このコイン論争は、NASAの研究者が聖骸布の目の辺りを三次元(3D)画像処理したところコインの跡のようなものが出た(1978年)ということから始まったもの。その画像を見ていたシカゴの古銭研究者が、「UCAI」という文字を読み取り、これは「TIBERIOU CAISARUS(皇帝ティベリウスの)」の一部だと言ったこと(1980年)に繋がります。これも興味がおありなら、次のサイトをどうぞ。
UCAIの文字と聖骸布→http://www.shroudofturin4journalists.com/coins.htm