Comments by Dr Marks

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ブログ・シャバートと思ったが、ブクマ(神学する)と米(イスラエルのキリル)の補足を:一応、神学・聖書学の学習教室だから

ずっと、ブログを休んでいない。昨年の夏からだ。Finalventさんに習って忙しい週末は休みたいのだが、また書く。ブクマにコメントがあるんだ。Finalventさんじゃないが、ブクマにコメントするより直接コメントしてくれたほうがこちらも見逃さないのでいいのだが。

Polynityさん、(http://sonzai.org/2008/02/theology.htm)あなたのことですよ。Polynityさんのコメントは「神学する」という動詞があるということだ。区別は他の方々が言っていることと同じ。区別することはいいことだが、言葉そのものには区別はない。

「神学する」で日本語検索するといろいろヒットする。しかし、たまたま英訳が付いている著作があったのだが、 theologize とはなっていない。「神学を学ぶ」と同じ。へー、この著者(日本の神学者)はtheologizeという言葉を選べ(作れ)なかったのかなと思った。まあ、この英語はあまり使われない。意味だって「神学を学ぶ」と同じだ。

ドイツ語ではtheologierenがヒットした。普通は「神学を学ぶ=Theologie studieren」だが、結構ヒットする。面白いのは私のPCに朝鮮語を入れているので言語を特定しなくても、このドイツ語の「theologieren= “신학적 영성(神學的 靈性)”=神学する」でヒットするのだ。

しかし、もう一度言う。勝手におし。神学も学ぶ基本は算数や読み書きと同じ。霊的なことを教えてしまうことは危険を伴う。ただし、自分が学ぶ場合はその自覚は役に立つ。霊的なことは黒板で教えないほうがいい。

先日、下谷教会の牧師さんの実物教育(object lesson)のことを書いたので、今度はカトリック神父様の私の体験例。昔(いつも昔だ、年寄りの話はすべて昔になる)、紀尾井町カトリックのお寺さんでクリスマスイヴの夜に境内をうろついていたら、フィリピン人のきれいどころが数人教会に入ろうとしていた。たぶん、夜の10時頃だったように思う。次の礼拝はミッドナイトミサだけと知り、彼女らはがっかりしていた。

すると、足の悪い神父様がひょこたんひょこたんと歩いてやってきた。聞けばアメリカ出身の司祭様だそうだ。残念ながら、豆腐頭だから名前は失念した。あの足が悪いことが指標になるから、知っている人は知っているだろう。私は彼に彼女たちのためにミサをしてくれと頼んだ。駄目でもともとと思ったが、彼は快く彼女らと私を隣接する大学(上智大だわな)の小さな会堂に招き入れると、しばらくしてミサ服に着替えて出てきてくれた。

彼女らは仕事の都合(夜の仕事だからな)で時間がなかったのだが、諦めていたミサにあずかれて感激して帰っていった。彼女らが帰ってから、この親切な神父様は私を伴って上智大学の中をいろいろと案内してくださった。私は、彼女らの後を追ってクリスマスの祝福にあずかりたかったのだが、神父様は私の邪悪な心を見透かして、彼女らだけを帰して、私が後を追わないように引き止めたのですな。神学している人は偉い。

 

 PG33:331−332(つまり、PGの第33巻の第331-332コラム)にある『カテキズム』の冒頭

話変わって、イスラエルの聖キリル(英語で訛ればイズレイアルの聖サイリル様)はベネディクトス16世様(法王様=ラッツィンガー博士)もお気に入りのようだ。ギリシア正教の啓蒙者Brittyさんから、この人についてコメントをいただいている。4世紀のエルサレム大司教様で何度も追放されたり戻ったりで波乱万丈の人だが、彼の書いたもので現存する最も有名なのが24条(前書+23条=24条)の『カテキズム』だ。

ギリシア語で書いたが西方の教会でもラテン語で流布し今日に伝えられた。Brittyさんとのやりとりで出てきたPG、PLとは、私の本家で読んだ方にとっては繰り返しになるが、ここも新たな教室ということで説明する。PG=Patrologia Graeca すなわち『ギリシア(語系)教父語録』、PL=Patrologia Latina すなわち『ラテン(語系)教父語録』は、フランスのJacques Paul Migne(1800−1875)の編纂によるもので教父研究には欠かせない資料である。

しかし、現在ではPG、PLだけではテキストとしての信頼性が薄いものもあるらしいが、我々のような者は普通これからの引用で用は足りる。私が学生の頃は、両方合わせて400巻近いものが並ぶ書庫に籠って、読めもしないギリシア語やラテン語の該当箇所を必死になって探したものだが、今は家にいて読めるし索引も便利になっている。私は今、深夜自宅なのだが、大学のデータベースを使って上記のようなベージが探せるのだ。何と便利な世の中よ。

現在、ギリシア語テキストのPGは、1ページにコラムが二つありギリシア語とラテン語の対訳になっている。しかし、ラテン語としてしか完全な形が残っていない場合は、ギリシア語部分は虫食いになる。

この『カテキズム』の英語訳全文のサイトは→http://www.newadvent.org/fathers/3101.htm
ベネ16様のご推薦文は→http://www.ewtn.com/library/PAPALDOC/b16ChrstChrch42.htm

もう寝ます。