Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

賛美歌21って何だ?

日系教会で奉仕するたびに困っていたことを解消した。何かというと、皆と同じページ数の新共同訳をやっと買ったということだ。私の新共同訳(旧約続編付き)は、1987年9月に出たばかりの初版を、翌10月に東大生協で買ったものである(うひゃー、20年以上前だぞ!)が、翌年1988年に改訂されたため以後のページ数は初版と合っていない。

そのことは日系教会で説教したときから気がついていた。私の指定した聖書の箇所が、週報では別のページ数で印刷されていたからだ。そのときは週報の誤植かと思ったが、私のそれまで愛用していた版がむしろ特別だったのである。私の持っている版は1年で絶版になっており、今では歴史的希少価値のある版であるらしい。だいぶよれよれで、表紙も布でカバーして使っていたが大事にしておこうと思う。

今まで式(葬式など)には、黒革の口語訳聖書を使っていたが、新共同訳の教会が多くなったので、いっそのことと思い、奮発して高価な続編付き新共同訳の黒革装丁を購入した。続編付きなので分厚く格好が悪いが、これからはこちらを愛用する。第一、革装は使っていないと革が悪くなる。乾燥したカリフォルニアでは尚更だ。

ついでに、これも念願の賛美歌第二編付きを購入した。ピアノを弾く人(私じゃない)のために大きな版を求めたので、これも出費だった。その際知ったことがある。今では日本の教会では『賛美歌21』と称する奇態なものが使われているというのだ。何やら賛美歌の歌詞が古くて若者は理解できないから現代風に直したとか、差別用語があるので改訂したとかぬかしておじゃるらしい。困ったものだ。

さすがにアメリカの日系教会ではまだのようだが、そのようなものはこの国には来ないほうがいい。日系教会の賛美歌や聖歌は、教会員が何らかの節目節目に少しずつ寄贈してきたものなので、『賛美歌21』などという化け物が入ってくるまでには時間がかかるだろう。日系教会がそうなる頃には、わしゃ行くこともないだろう。