Comments by Dr Marks

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学者の猫背

学者のステレオタイプに「猫背」がある。「せむし(hunchback)」(なんか近頃は差別用語だそうだが)とは違って、それほど極端ではないが、確かに多い。背の高い人が机に向かって背をかがめる姿勢で生活するからだそうだ。

英語では scholar's stoop と言われるのが普通だろう。多分、scholarly bent back などとは言わないほうがいい。悪い意味もある scholarly bent of mind を連想するからだ。(いい意味で使う場合もあるが、学者特有の「ひねくれたモノの見方」のことだ。)

わが師のブラウン先生もガンドリー先生も背が高い。いろんな人種の混じったカリフォルニアでは、この私でも平均よりは高いほうだが、二人の先生は一段と背高のっぽ。しかし、両者の姿勢は極端に違う。

ブラウン先生は C 型で、いつも背中を丸めている。このところ年のせいか益々だ。奥さんのオリーヴが小さいから家庭でも屈んでばかりいるのかと思ってしまう。ガンドリー先生は I 型で、いつも背筋を伸ばして歩く。私はガンドリー先生の真似をしろと忠告された。

そう。私は C 型で、油断するとすぐに写真のようになってしまう。せめてガンドリー先生の真似をすれば、短足で過分数頭でも背が高く見えるだろうとの助言だ。なるべくそのように胸を張って歩こうとするのだが、近頃はお腹のほうが先に出ているようで、どうも落ち着かない。