Comments by Dr Marks

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あな嬉し、梅雨なき夏は

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あな嬉し、梅雨なき夏は(文句あつか)、ところで僕はスナドリ猫(fishing cat)?

日本は嫌ひではないが、梅雨は嫌だ。とくに梅雨時の東京の通勤電車を思ひ出すとぞつとする。

今朝、例の気象学者を調べてゐた人が、やうやく学内紀要に掲載する原稿が出来上がつたと云つてきた。見ると、私の名前が違つてゐたりするのはご愛嬌だが、そろそろその学者の名前を書いてもよささうだ。しかし、あの小説は失敗なので続けることはないだろう。

小谷野先生が当てたやうに一人は文化勲章受賞の帝大卒岡田武松(1874−1956)であり、もう一人がコロンビア大卒の田村哲(S. Tetsu Tamura、1876−1909)だが、Sと云うのは親が付けた「哲」の読み名 Satoru のことだ。後者については、今まで「求道士」さんが知りながら黙してゐてくださつた。感謝。田村は掛け持ち講師をやりすぎて疲れ、梅雨の後の腸チフスで若くして死んだ。長生きしたら、岡田のやうになれたかどうかはわからない。

田村には一寸した学歴詐称まがひがある。星一(ほしはじめ、星新一の父)がコロンビア大に入るにあたつてしたやうな本当の詐称とは別ではあるが、出た大学を意識的に一つ省略してゐる。省略して書かなかつたと云えばそれまでかもしれないが、辻褄合せに改竄した年号があるから「有罪」だ。

あ、さうさう、田村には二人の娘があり、再婚した田村の妻に連れられて新澤西州のケイプメイ市に行つたよ。美しい町だ(と思ふ)。