Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

対で覚えるイディオム "How Come" と "That's Why" (口語英語表現でごまかすブログ No.15)おまけ "See You Later, Alligator" と "See You Later, Litigator"

また、日付先付けで失礼する。こちらは、まだ本当は24日夕刻にすぎない。しかし、昼にマクドナルドの硬いイスに長く座っていたら、少々腰を痛めてしまったから、コンピュータの前にしばしば座るのは辛くなったので、念のため先付けとした。

まあ、マクドナルドは安いわ。普段は外国に出たときに現地の食い物では力がつかない場合に行くので、マクドナルドはアメリカではあまり行かないなどと言って(豪語して)はみたものの、その安さに引かれて思わず。ダブルチーズバーガー、フレンチフライ、コーラのセットが「ミニミール」と称して2ドル99セントとデカデカの公告が躍っていた。本当にそうだった。

とてもミニとは思えない量だが、食べていてふと目を上げると、ソフトクリーム69セント! これも思わず食後に注文、食べながら車に戻った。しかし、うるさい店だった。しかし、そのうるささが妙に居心地がいい。黒人地域で、ガキ連れの母ちゃんが、「馬鹿、こら、叩くよ!」などと子供たちにどなっているし、店の入り口には爺さん婆さんたちが何も注文しないでテーブル二つ占領しておしゃべりしている。マネジャーは何も言わない。昔の日本の下町の床屋みたいなものだ。

そこで、居心地のよくなった私も、来るときにカバンに放り込んできたスヌーピーの漫画を取り出して長居してしまったという次第。漫画のタイトルが "See You Later, Litigator" で、スヌーピーが弁護士になるという面白い奴だ。もちろんアメリカでも有能な弁護士は何でも屋ではなく、何か専門があるのだが、このスヌーピー弁護士は何でも屋で「犬に噛まれた際の訴訟」まで引き受けるというのだから大笑い。お陰で腰を痛めたのかもしれない。

今日もおまけから説明しよう。See you later, alligator の直訳は「また会いましょう、ワニさん」なのだが、ワニという動物がなぜ出てくるかというと、later と alligator の語呂合わせだから。意味はない。ちょうど日本語の「さよなら三角、また来て四角」のようなものだ。学生などがよく使う。ところが、法曹界の者は、(一部の者だが)alligator の代わりに litigator(訴訟人)を使うのだが、これを漫画のタイトルにしていた。

この漫画は法曹界用語がたくさん出てくる。そして、昨日のテルトリアヌスではないが、ローマ法伝統のラテン語もふんだんにあることになる。そこで、Amicus Curiae(アミークス・キュリアエ、法廷の友。英語ではそのまま friend of the court、日本語ではたぶん法廷助言人)が出てくる。本当は、第三者として法廷に専門家としての意見を自発的に提供する人のことだが、スヌーピーは英語訳をそのまま勝手に理解して(作者のシュルツはもちろん正しく知っている) "If I'm a friend of the court, how come the judge hates me?" などと文句を言っている。

つまり、「僕も法廷の友だというのなら、どうして裁判官に嫌われなきゃいけないの?」ということになるが、ここで how come が口語表現、why で置き換えることができる。いや、正確に言うと、why なら "Why does the judge hate me?" のように疑問文の語順にしなければならないが、how come はそのあとの語順は平叙文のままでよいというのがミソだ。要するに、しゃべりやすい。How come とまず言っておいて、あとは疑問の内容を付け足し、信じらんないと両手を挙げて見せれば、あなたも英語使いとなる。文を作るのも面倒であれば、"How come?" でもいい。何で? どうして?って。

That's why も口語としては使用頻度が高いし、軽い感じがする。意味は「なぜなら、because」だ。Why なのに意味が because なのは面白いでしょう。考えてみれば、the reason why 云々ということなのですね。How come you don't like Dr. Marks? He is the friend of women, that's why.「どうして、まるくすハカセが嫌いなの? だって、女に好かれすぎるもの。」←嘘ピョーン、お後がよろしいようで。See you later, litigator!

一部訂正:理由は理由でも「だから」の意味があるので、理由を言ったあとで、that's why と例文のように付け足すほうがいい。