Comments by Dr Marks

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国教会の英国植民地時代はともかく、建国(独立)以来、アメリカ合衆国がキリスト教を国教としたためしはない:ABC テレビのセイラ・ペイリンの「キリスト教立国(Christian Nation)」発言をめぐって(発言の真偽または引用の正確性は別として)

夕方の食事時はダイアン・ソーヤーのABCテレビ「世界ニューズ」を観るのが常だ。すると(西海岸時間20日)、セイラ・ペイリンが上記の発言をしたとして、各方面からの批判が出ているというニューズがあった。どうも近頃の(前からNBCと比べるとそうなのだが)ABC はトヨタ報道といい、信じられないのだが、確かにペイリンが「アメリカはキリスト教立国であった」と言ったとすれば、ペイリンの間違いだ。

最近の Twitter でもつぶやいたが、アメリカは信教の自由を求めた避難民の国であり、合衆国憲法修正第一条の第一に挙がっているのが、信教の自由(no law respecting an establishment of religion=国教の禁止)であり、その他の言論の自由などより真っ先に言及されている。歴代の大統領が職責をもって、キリスト教が、あるいはイエス・キリストが国の基であると言ったこともない。

むしろ、アメリカを知らない外国人が、ときには学者が間違ったことを言うので困る。もっとも、ロバート・ベラーなどという元共産主義者で後になっても全体主義者で、今日のバークリーの悪しき先駆けの一人である宗教社会学者の市民宗教(American civil religion)などを聞きかじってしまうと、大いなるアホが大いなる誤解をしてしまうことになる。そもそもベラーの捏造した言葉と概念は、アメリカでは初めから眉唾物とされていたのである。
http://abcnews.go.com/Politics/sarah-palin-sparks-church-state-separation-debate/story?id=10419289