はははは、大笑い―日本全体が占領されていて主権がなかった時代を忘れた日本人(沖縄は、その期間が長かっただけ)団塊の世代は占領下日本の生まれ
数日前のTwitterでの会話だが、本土は沖縄のような占領の経験がないとか、いや樺太は占領されたままだとかの「つぶやき合い」があった。私も漠然と、そうだな、と頷いていたが、何かおかしいという思いが、頭の隅に残ったままだった。今日、ふとしたことから、そのもやもやから解放され、大笑い。
わが家は定期的に晩飯を食いに来る浪人たちが多く、なるべくセットの食器で食べさせるのだが、誰かが(私のことはまれ)食器を割るから次第にセットの数が減ってくる。まあ、割れなきゃ瀬戸物屋が儲からないので、割れることも摂理と達観している。怪我さえしなければいい。
そこで今日安物の12枚セットを買い足した。ついでに戸棚を一部掃除して、中にあるものを入れ替えた。いつもいつも同じ食器では飽きが来るからだ。その際、小さめの感じのよいスープ皿があったので、しばらく使うことにした。裏を見たら Noritake だ。さすが。第二次世界大戦前なら値打ちものだから使うの止めようかと思ったが、その銘の下に Made in Occupied Japan とある。あっ、そして大笑い。
そうだ。敗戦の時から終戦の日(講和後1952年4月28日)までは連合国の統治下にあり、日本という「主権国家」はなかったのだ。しかも、ソ連、アメリカ、イギリス、中国に分割される危険性もあったのに、共産主義の侵攻となることを恐れたアメリカが強行に反対して今の日本がある。残念ながら、北方諸島はソ連に割譲しなければならなかったのではあるが。また、沖縄はこのとき日本の形式上の主権は認められながらも施政権はアメリカに残り、1972年までは実質的に占領状態だった。(奄美群島は沖縄と分離して、本土に1年半遅れの1953年12年25日に返還。)
さて、占領下の日本製ノリタケだが、模様もよく見てみるとプリント。人によってはこの時代の品々を愛でる好事家もいるが、いいものはいい、わるいものはわるい、のは時代に関係がない。普段の食事に使うことにした。もともと普段の生活に長らく使った形跡もある。仕舞い込まれたり、飾られてばかりいるより、使われていたほうが瀬戸物も嬉しいだろう。