Comments by Dr Marks

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猫の首輪がなくなった―誘拐未遂だろうか

ルーファスの首輪がなくなった。首輪には小さな鈴と認識番号風に小さな電話連絡用の番号が彫られたプレートが付いている。ルー君は自分ではずそうとしたこともないし、どこかに引っ掛かって切れたりはずれたりするような材質ではない首輪だ。ベルトの穴から人手ではずさないのであれば自然とはずれるということは考え難い。

猫に一応聞いてはみたが言葉のできない畜生の浅ましさなのか、そんな瑣末のことに答えてはいられないといういつもの倣岸な気持ちからなのか、ニャンともフーとも言ってはくれない。家人の話では、近頃、猫と犬を連れて越してきたご婦人が、犬の散歩の途中、ルー君のことについて忠告してくれたそうだ。

「道を渡って我が家まで来ますけど、高価な猫ですし家の中に仕舞って置かれたほうがよろしいのでは・・・。えっ、どうして高価かと? 宅にも似たような子がいますもので、おほほほほ」と言ったそうだ。ふん、ルー君はそんな馬鹿猫ではないわ。横断する前に必ず左右を見回すわい。お宅の猫は外にも出られないのでは可愛そうだ。知能の発達も遅れているに違いない。

しかし、誰かが盗もうとして首輪をはずしたが、隙を見て逃げてきたのかもしれないと思った。なるべく早く新しい首輪を付けなければ。