Comments by Dr Marks

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インチキ日本文化論をTwitter風に、なにも小谷野先生の『日本文化論のインチキ』と関係があるわけではない

やはりバリバリの専門家がマルコ伝の著者はヨハネ・マルコであるという話を、別の本を紹介しながらしようと思ったが、今日は一日暑いのに出かけていたのでもうだるくなった。次回としよう。そんなわけで、インチキ日本文化論でもブログとしてつぶやこうかと思う。

なにも真新しいことではないが、やはり日本は情報が均一同時的に流れるので、日本人の言うこと為すこと皆同じに見えてしまう。カリフォルニア1州ほどの土地にアメリカの人口の半分が肩寄せ合って暮らしている。標準時間が一つだけだから、重要なニューズなどは全国民が同時に観ているわけだ。

テレビ局や新聞なども中央紙・中央局が肩で風を切っているし、ベストセラーの出版物もたちどころに周知徹底されるから猫も杓子もとりあえず1冊買ってみる。(ここだけの話だが、5か月になった我が家の娘猫は、もう鉛筆やペンが大好きで英日のバイリンギャル。そのうち本当に本を読むだろうし、大学に行きたいなどと言いだしかねない。)

だから、今やハーヴァードのサンデル教授でさえ日本で一番有名な大学教授になったのも、日本の迅速な情報の流れと均一性のせいである。余がサンデル教授をたまたま知ったのは日本でブームになる前だが、現在でも日本ほどポピュラーな先生かといえば、そんなことはないのである。たまたま知ったのはアメリカの教育テレビ系の番組で観たからなのだが、アメリカのいわゆる「教育テレビ(Public TV)」は日本の教育テレビと違いいくつもあるのである。そのうちの一つにチャネルを合わせていて知ったのは、まさに偶然だ。

余は、年中教育テレビを観賞するような知的な人間ではない。一般局の番組が詰まらないときに仕方なく回すのが PBS とかKCETなどの教育テレビなのだ。こちらの学生に聞いてもサンデル教授を知る者は少ない。しかし、今どきの日本の学生なら知らないほうが少ないのではないだろうか。興味の均一化が進んでいるのだろうか。いや、均一化に見えるほど、日本人全員の高度な知性と知的関心が浮かび上がってそう見えたのかもしれない。

まあ、狭いところにひしめき合っているから均一化が進むのだと言ったが、実際は知性が高すぎるから均一化に見えるだけというのが正しいのかもしれない。なぜなら、標準時間が日本のように単一で、しかも日本よりも国土が狭い多くの国、例えばヨーロッパ諸国では、人々のメンタリティーが日本ほど均一性が高いとは思えない。やはり、彼らは日本人ほど知性が高くないのであろう。