フェミ・パーキンズおばさんの『ペテロ』を忘れていたので
Peter: Apostle for the Whole Church (Personalities of the New Testament)
- 作者: Pheme Perkins
- 出版社/メーカー: Fortress Pr
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: ペーパーバック
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2000年の本だが、余はペーパーバックで2003年に入手している。一応推薦できる概説書だ。彼女はローマン・カトリックだが、この本の主題は、ペテロはローマ教会の建設者であるだけではなく、全教会の礎である、というものだ。
ヴァチカンの地下の60代から70代の男の骨がペテロだと1968年に宣言されても、積極的に彼であるということはできないが、ペテロがローマにいたという証拠も何もないからヴァチカンの丘と無関係というのも言いすぎであると彼女は考える。つまり、ペテロ第一の手紙ほか全体の状況からは、ペテロがローマにいなかったというほうが不自然だ。余もそう思う。
では、なにゆえペテロは全教会の礎かというと、パウロと共同ではあろうが、コリントやローマ、更にマルコの伝承まで持ち出せばの話だが、アレクサンドリアもペテロの息であるから全教会はペテロが開いたとも言える。エルサレムもヤコブと共にペテロの役割を抜きにして語ることはできない。
なお、ペテロのローマ入りについては8月に記事にしている。http://d.hatena.ne.jp/DrMarks/20100820/p1