Comments by Dr Marks

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常識がないことも気違いという。言論の自由と嘯いて戦死した同性愛者の葬式に押しかけた気違いキリスト教徒。言論の自由に熱心な最高裁判事らも怒る

2006年3月のことだ。一兵士(マシュー・スナイダー海兵隊上等兵)の葬儀がメリーランドで行われた。悲しみの両親を囲んでしめやかに行われるはずだったが、突然の不埒な輩によって葬儀は台無しになってしまった。不埒な輩は、ご苦労なことにカンザス州のトピーカから大挙して東部までやってきて、故人とその家族を「天罰だ、天罰だ」といって囃し立てたのだ。(http://bit.ly/dd6xQ7

その理由とされることはただ一つ。マシュー君がホモ・セクシャルだということだった。トピーカくんだりから訪れた輩は、フェルプスという家族を中心としたキリスト教原理主義者で、他でも同様な嫌がらせをしていたらしい。マシュー君の父親アルバート・スナイダー氏は黙っていなかった。早速、フェルプス一族を訴えて勝訴した。フェルプス一族は、(アメリカでは一般的な)制裁金を加算した5億円の支払いを命じられた。

ところが、フェルプス一族は、恥ずかしくもなく、「言論の自由(合衆国憲法修正第一条)」を主張して最高裁に上告した。本日(米国日付6日水曜日)から最高裁で審理が始まったが、彼らはワシントン(最高裁)にまで乗り込んで騒いでいるのをABC の夕方のニュースで放映していた。例のごとく、食事をしながら観ていたのだが、気分が悪くなったのでブログに書くことにした。

放映のとおり、ソトマイヤー判事は「公共の言論(に関わる法)は、公共の事案に向けたものであって、もし私事に向けられるのであれば別の法の下に扱われるべきではないか。いったい憲法修正第一条のいかなる法理論の下で、我々(判事)が裁けばいいのか」と問えば、ギンズバーグ判事も被告のマジーフェルプスに向かって「修正第一条が、この海兵隊員の家族が蹂躙されるのをどうして許さなければいけないのか。(公共に向かって意見を述べたいのならば)他にいくつも自分たちの意見を表明できる場はあろうに」と、怒っておりますなあ。

そういえば、カンザス・トピーカは変手子捨て教団の発祥の地だったな。ロスアンジェルスのアズーサ通りもそうだけど。