ペテロ派やパウロ派という都市伝説もあるが、グッドエイカー先生の最新 NT Pod は「パウロはキリスト教の創始者だったのか？」について

この NT Pod (No.41) はこちら→ http://dlvr.it/6v9ss

コロンバス・デーの午後は昼寝だけが能じゃない。（能じゃないってこれでいい？）敬愛するグッドエイカー先生のように、多忙でなかなか更新できなかった NT Pod を更新するとか、有意義に過ごすべきだな。やっぱセンセは偉い。

答はノーなのだが、日本でも知られているクロッサンのパウロの生涯観などに見られるように、ヴレーデ（William Wrede、1859 – 1906)）から始まり現在のリューデマン先生（Gerd Lüdemann、1946−）まで、ドイツのプロテスタントは、「キリスト教はパウロ教だー！」という都市伝説が好きなんだ。（ただし、クロッサンはカトリックでアイルランド出身のアメリカの聖書学者。John Dominic Crossan、1934−。）

確かに、新約聖書の中で圧倒的な量の書き物が彼の名によるものであるし、伝道者として歩き回った規模も他の使徒を凌駕している。また、彼自身が、自分の信仰は人からではない（ガラテヤ1：11−12）などと言っていることなどは、やっぱりと思わせるが、「創始者」とするには視点がずれている。実際、新約聖書の黙示録その他の文書は、パウロキリスト教創始者説を奉じる者たちのパウロの特徴とは異なる。

そもそもアンティオキアもローマもアフリカもパウロがキリスト教を広めたところではない。彼以前にすでに宣べ伝えられていた。パウロ自身、キリスト教の根幹を述べた第１コリントの15章では、ケファ（すなわちペテロ）らに伝えられたことを繰り返している。また、注意深く見るならば、彼の信仰がペテロやヤコブと本質的には異ならないのである。