Comments by Dr Marks

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カダフィ大佐の次男サイフ・アルイスラム・カダフィは馬鹿か? まさか。

今日は忙しかったので簡単に。次男は今リビア政府のスポークスマン的存在である。その彼について英国のタブロイド紙に成り下がった(もともと左がかった嫌な新聞である)「インデペンデント紙」が盛んに次男の博士論文(London School of Economics, Ph.D., 2008)について、あることないことの悪口を書いている。リビアの学者たちに代筆させたと言うのである。

しかも、それを真に受けた馬鹿どもが次男のサイフ博士がめずらしく英語で話していると、留学生の英語など聞いたこともないこの馬鹿どもが、身の程も知らずにサイフ博士を馬鹿にしている(YouTubeのコメント参照)。英語でしゃべるなどというのは、日常使っていない状態だと、エンジンがかかるのに時間が必要だから、この場合も初めは固いがだんだんよくなってきていることに気づくはずだ。本当に英語以外しゃべれもしない馬鹿どもが何を言うかだよ。

学位論文代筆説も人によってまちまちの内容なのが臭い。一応共通しているのは、学位を得た後にカダフィ系の文化財団から名門ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE=ロンドン経済大学院)が莫大な寄付金を得たという話である。しかし、そんなことは何の証拠にもならない。もともとサイフ君は2003年に同校で修士号を得ており、その延長で2008年に博士号を得たとすれば何も不思議ではないのである。

どんな博士課程の学生でも指導教官はいるわけだし、機会があれば学外にも師を求めるのは当たり前である。むしろ、勉強熱心な学生なら、積極的にそうするであろう。しかも、彼はインタヴューでも答えているが、イスラム国家では夢物語の民主化イスラム諸国が他の世界と強調することに向けての理想があった。そもそもLSEの博士論文が、剽窃論文一本で成り立つと考えるのがおかしい。

余は、LSEの詳細な手順は確かには知らないが、普通、論文テーマに関わる数日間の筆記試験か、学会発表ないし査読付き専門誌への論文掲載など、あるいはそれら全てが事前に課され、その上で論文が執筆されるのであるし、論文に関する口頭でのディフェンス試験もあるであろう。外注して他人が書いた論文一本があれば済むというような話ではないのである。

このインタヴューの相手アルジャジーラ英語版のアニータ・マックノート(Anita Mcnaught)女史は、もともとNZ人で英国籍も持っているが、アラブの心など知っているかどうかあやしい。実際、インタヴュワーとしては最低の記者だと思った。セイフ君と噛み合っていない。彼が一生懸命説明していることを真面目に理解しようとしないのだ。

彼女はリビアの東西の問題も理解していないし、石油関連港湾への爆撃に関しても、「どうして民間人を爆撃するのか」と馬鹿な質問をするから、セイフ君が「そんなの誰もいないよ」といっても理解できない。「海に面し背面は砂漠であって、人が生活するところではない。そこを武装した民兵たちが乗っ取ろうとするから爆撃する」と答えてもわかろうとしないのだ。我が家の家訓に「馬鹿とは付き合うな」というのがあるが、アニータのような女とは付き合いたくないね。

それでもカイロやジュネーヴあたりからしリビアのニューズを送れない日本のジャーナリストよりいいかな。いや、待てよ、それはアニータちゃんが優秀というよりはアルジャジーラというバックだね。

後書き:そういえば、この後のことなのだろうか。リビア政府が国連かアラブ連盟が直接リビアに調査団を派遣して現状を見てくれと言っていた。