Comments by Dr Marks

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あなたは知っているだろうか、この悪人顔を(リビア暫定政府議長を僭称するモスターファ・モハンマド・アブドル・ジャリル様だよ)人間を顔で判断する達人の余が言うのであるから間違いなく悪党

反乱軍の親玉と報じられるが、反乱軍も一枚岩ではないから、こいつの正当性も怪しいということになっている。名前のローマ字綴りはいろいろなので書いてもしょうがないが、一応Mostafa Mohammad Abdul Jalil としておこう。外電で調べるにはそのほうが好都合だろう。

しかし、今、好都合とは言ったが、アラブ語の文献でないとこやつの素性はなかなか出てこない。アルジャジーラ(アラブ語版)やアラブ語ウィキペディアによれば、こんな爺顔なのに精悍な大佐殿より10歳も若い58歳(1952年生まれ)なんだぜ。どうやらこの男は生涯おどおどして生きていかなければならない運命のようで、テレビに出てもおどおどしているが、人の顔色を見、辺りの状況に合せて道を選んでいるようだ。

だいたい、することなすこと自信がないから、端からも信用されない。「内政干渉はお断りします。地上のことは自分たちでなんとかしますが、国連さんノーフライゾーンだけよろしくお願いします」って矛盾してないか? オバマの馬鹿はともかく、さすがのアメリカも今のところ「はい、そうですか」といって助けるつもりはない。

また、やはりカダフィ大佐殿は怖いものだから、「72時間以内に降参してくださったら罪には問いません」などとも最近語ったが、このときも反乱軍の別のグループは「何様のつもりで勝手なことを言うんだ」と批判していたぞ。もっとも、大佐は相手になどしない。

めんどくさいがお定まりで略歴ね。後で説明するが、こいつはキレナイカ(東リビア)のアルバイダ(Al Bayda)が故郷なんだ。地元で初等中等教育を受け、当時のリビア大学ベンガジ校(現ベンガジ大)に18歳で入学(1970年)、新設の同リビア大学アルバイダ校(現アルバイダ大)のイスラム法科を1975年に卒業した。

卒業後3か月して地元アルバイダの検事補見習いとなり、更に3年後には判事に任官したが、その後は順調に出世し、2007年には法務大臣に上り詰めた。どうやら出世に関しては大佐に恩義を感じていたらしいが、昨年辺りから大佐と衝突することも多くなった。大佐がテロリストだというのに釈放しようとしたかららしい。

思い出してほしい、この男のアルバイダという出身地を。大都市ベンガジとは違って、東部ではなかなか瀟洒な町のようである。現在、リビアの国立大学は、首都のトリポリ大学と東部のベンガジ大学が双璧であるが、アルバイダの大学も前述のごとく旧リビア大学の流れを汲み、文化的にも豊かな町のようだ。

この町は実は大佐によって(当時はカダフィ大尉)退位させられた元国王の本拠地であった。従って、今でも住民は旧王党派が多い。まあ不満分子の巣窟だな。アルバイダに大学を作ったのは大佐であるし、この町出身のアブドル・ジャリルを重く取り立てたのも大佐だったのではないかと思う。もちろん、旧王党派を手なずけるつもりではあったのだろうが、今は飼い犬に手を噛まれた状態が大佐なのかもしれない。こういう根性なし男はイエスマンだから出世したのだろうが、形勢が逆転すると真っ先に寝返るんだよ。

この元法務大臣は、多分、大佐とも親しく接していただろう。それゆえ、大佐の過去について、あることないことぺらぺらと西側メディアに語っているわけだ。地元の旧王党派の代表というか出世頭のつもりなのかもしれない。反カダフィの頭領を気取っているのである。だから、これは初めから意図的な反乱による「内戦」なのであるから、世界は「人道的立場」云々などと言わないほうがいい。

だいたいなあ、年端もいかない、軍歴もない、訓練なしの東リビア人を戦場に送っているのはこいつなんだぜ。カダフィーが言うように、本当に若者をだましているんじゃないか。この肝っ玉のなさそうな小悪党。