Comments by Dr Marks

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政治形態名に騙されてはいけないのは政治学の基礎:独裁制、君主制、共和制、その他(因みにアラブ諸国で直接リビアに敵対しているカタールは君主国=首長国)


カタールという国は1971年に独立したアラビア半島首長国。西洋風に言えば君主国といってもいいのだが酋長国のようなものだ。実際、首長国であるバハレーンなどはもう君主国だもんね。

産業はもちろん石油輸出であり、今では有名なアルジャジーラ放送局の本拠があることで有名なほかは何もないようなところだ。(上空を夜間飛んだことはあるが行ったことはないので、今は見てきたようなことを言っているのでご注意。ただし、嘘とは限りませんよ。)

首長といってもおかしな首長で、独立以来、現在まで三代にわたって親を追い出して自分が首長の座についているんだ。もっとも、親殺しまではしていないので凄惨な感じはない。代が変わるたんびに西洋化と世俗化が進み、一応、2003年には憲法を制定した。だから、立憲君主国。しかし、憲法があるからといって英国とかその他の欧州立憲君主国、更に日本やタイの立憲君主国を想像してもらっても困る。

なぜ困るかというと、立憲すなわち民主主義国を装った「独裁国家」なんだよ。確かに、リビアカダフィが王様を追い出して人民民主の国にしたが実態は「独裁」であったろう。そのことは疑えない。とくに草創の頃は旧体制派や東部の反カダフィ部族などとの軋轢を乗り越えるために、かなりなものであったことは想像に難くない。

「独裁」というのは「独裁」と付けたければどこにでも起こるのだ。エジプトもムバラクの独裁というが立憲共和国だったんだよ。形の上だけどね。まあ、成熟していないというか、国民の教育等のインフラがない状態では、いくら立派な箱(制度)を作ってみても仕方がないから、愛国の士が頑張っているうちに、愛国者が独裁者となることも多いのだろうね。

その意味では長年舵を取りすぎて後継者を育てなかったり他人を信用してこなかったのは「独裁者」の自業自得とも言える。もっとも、リビアには核兵器開発の断念など、国際社会への参加の機運が高まっていて、憲法制定の動きもあったのだが、先にチュニジアやエジプトの政変があって、遅きに失したのかもしれない。

さて、リビアの反乱軍は「共和国」を作るのだと息巻いているが、わからんよ。だいたい共和国が何かわかっているのかどうかもわからない。そうそう、どうしてカタールが大佐殿に弓ひいたかというとだね、石油だよ。彼らが反乱軍から最初に石油を買って積荷した。昨日のことだ。それとカタールの首長は王様だから大佐殿のようながさつな男は嫌いなんでしょう。

あっ、首長の名前? ハマッド・アルターニってんだけど、覚えても意味ない。大佐殿ほどおもしろくない。それとこの国の内閣はほとんど彼の一族だかんね。カダフィのところは息子が二人入ってるだけだよね。親族も重用してはいない。