ディーメン(Diemen)というところはアムステルダム中央駅から三つ目の郊外の駅だ。線路に沿ってユダヤ人墓地が続いている。変な言い方をすれば、アムステルダムの古い墓地の中では新しいほうで今でも遺族が訪れる。一部は強制収容所から運び出された遺骨も埋葬されている。
写真の墓地の一角はオランダ語で「子供たちの区画」あるいは「子供たちの野」という意味の標識が立っている。墓標は大人のものよりも一回り小さく、愛しさがこみ上げる。小さい頃だけの記憶というのは特別のものだ。この子供たちの野の側を幅4メートルほどの小川がゆったりと流れており、対岸の桜が見事に咲いていた。