Comments by Dr Marks

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過ぎしものは過ぎ、もはやなし

Vos Geven Iz Geven un Nito
(וואס געווען איז געווען און ניטא)
ダヴィド・メイエロヴィッツ 作  及部泉也 訳


諸君、しばし許されよ
わが心の内を打ち明けるを
思いを語るにしろ
痛みを語るにしろ
私は病んでいるのに
人はそれを病だとは言わず
老いからのものだと言うが
体に食い入り身を焦がすものだ


過ぎしものは過ぎ、もはやなし
すでに過ぎ去った、あの年月
若き日の喜びの過ぎ去る速さよ
取り戻すことはかなわない
過ぎしものは過ぎ、もはやないゆえに
気力も体力も衰え
髪は灰色になると・・
見せ掛けでだまし
立派に着飾ってはみても・・
他人はともかく
自分をだますことはできない
過ぎしものは過ぎ、もはやないゆえに


学校の前をたまたま通り過ぎる時は
涙を落としながら
昔に思いを馳せる
いかに若き魂は
おのが幸いを知りえないかと
それが知りえたその時は
時すでに遅しと


(中段は繰り返す)
David Meyerowitz (1867-1943)