Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

Happy Spring! とは何のこっちゃ

テレビニューズのアナウンサーもやたらと Happy Spring! そりゃーね。確かに、春はいいよ。オイラも春生まれだから嬉しい。というわけではなく、ほとんどの人は春の訪れにうきうきするだろう。それはいい。

春分の日が過ぎてますます春らしくなる。桜の花も満開。チューリップも満開。我が家の復活祭に合わせて咲く真っ白のカラーリリーも満開。名前もわからない花々も満開…。だから、それぞれの民族もさまざまな宗教も春のいろいろな祭りを楽しむ。ほぼ同じ時期に、仏教の花祭りキリスト教の復活祭、ユダヤ教の過越しの祭り、イランのなんたらかんたら、その他もろもろ。

だからといって、今まで Happy Easter! とか Happy Passover! とか言っていたのを止めることはない。今年は(その年で変わる移動祭日なので)今なら Happy Easter! だし、4月下旬になったら Happy Passover! だ。4月8日の灌仏会になったら、ハッピー花祭り!って言ってやるんだし、Happy Spring! とは何のこっちゃ、Happy Easter!!!

竹田寿恵雄先生の初めの本であるカント研究は類比(Analogie)が焦点だが、このテーマは今でも文献が多い。この本はすぐれた出版社からのもので、校正も行き届き読んでいて安心。あまり同時代の研究者との比較はなく、カントの本文に一人で取り組むことに撤している。しかし、山内得立からの感化などは見受けられる。(竹田先生は東北帝大出身だが、なるほど京大でも卒後教育を受けているので山内博士との接点はある。)二つ目の本は Pierre Teilhard de Chardin から始まって、人間の知と信の未来というテーマをさまざまな視点から語るもの。編集者の怠慢か、誤植が目に付く。なるほど、あの当時の本だなあと思うのは、やはりTeilhard de Chardin の登場だ。今でもあるかどうかは知らないが、上智大学に「テイエールドシャルダン研究会」があったはずだし、私のところの図書館には、竹田先生が引用した L'avenir de l'homme などは副本が何冊もある。まさにブームであったことがわかる。今は、読んでいてどんどん深みに入り、今日もいくつか図書館の本が必要になった。

寝転んで本読んでたって、Happy Spring! で休みだからいいんだよ。それにしても、カントなんてちゃんと読んでなかったことが今になってわかったな。やっぱり哲学の落第生だったんだ。