アラブ系貧乏宿（シャワータイムとか、ストーブとか、ロビーでお祈りとか、近所の爺たちがテレビを観に来るとか）

あんとに庵氏のところに妹さん夫婦が来て寒いと言ったからストーブを出したという記事があった。あんとに庵氏の島のお宅が貧乏宿ということではない。ちゃんとクリスマスツリーまで飾ってあるのだから立派なお宿だ。これはアラブ系貧乏宿の話。

この現代にシャワータイムが設定されている宿がまだ存在する。シャワータイムとは何かって？　おい、文明人、教えてやるよ。ホテルなのに暖かいシャワーが出る時間帯が決まっていることさ。早朝や深夜や午後にシャワーしようと思っても出ないぞ。水だけ出て風邪引くかもしれんぞ。

アラブ人は日中暑くても強く、朝晩冷え込んでも強い。だから文明国から出かけたひ弱なおいらが寒いと言ったら、気の毒そうにしてストーブを持ってきてくれた。暖かかった。ホテルのロビーなんて近所の爺さんたちの社交場だ。祈ったり、アラビア語のお笑い番組を観て笑いながら歓談し、アラビア語のわからない私にまで「おい面白いから観ろ！」と薦めたり、のどかな人たちだった。